2. NANDゲートの動作確認

NANDゲート(NAND演算を行う回路)の動作確認を通じて,ICトレーナーの基本的な使い方を学びます.

回路の接続方法

回路の接続は,ブレッドボードの穴(端子)および各種端子にジャンプワイヤを挿すことによって行います. 下図のように電源端子とブレッドボードを接続してみましょう.

実験ボード左下にある切り替えスイッチは常に乾電池側にしておいてください. また,電源スイッチはジャンプワイヤの抜き挿しを行うときにはOFFにしておき,動作を確認するときだけONにしてください.

ジャンプワイヤによる接続

NAND ICのピン配置

ブレッドボード上の一番右のIC(印字に"74LS00"が含まれているもの)には,下図のようにNANDゲートが4つ組み込まれています. このICをここでは"NAND IC"と呼びます. ICには14個のピン(接続端子)があり,それぞれに番号と名前がついています. 番号は,円形のへこみが左になるように置いたとき,上から見て左下から反時計回りにつけられています.

NAND ICのピンの配置

NANDゲートの動作確認

1番(上図左下)のNANDゲートの動作確認をしましょう.

ICを動作させるためには,電源を供給する必要があります.まずは,NAND ICに電源を供給するため,電源と接続します.

ブレッドボードのいくつかの穴は,下図のように内部でつながっています. たとえば,赤または青の同じ線に沿った穴は,それぞれ内部でつながっています. また,数字とアルファベットが振られた穴は,同じ数字のA-Eの穴同士,同じくF-Jの穴同士が,それぞれ内部でつながっています.

ブレッドボード内で回路がつながっている穴

NAND ICに電源を供給するには,NAND ICの7番ピンと電源GND端子,14番ピンと電源+5V端子とを,それぞれ接続します. 下図のようにジャンプワイヤを挿せば,内部でつながっている穴を通じて接続されたことになります.

NAND ICと電源端子の接続

このように,ICを使うときには,VCCと電源+5V端子,GNDと電源GND端子をそれぞれ接続してください. なお,回路を接続する際には,電源+5V端子と電源GND端子が部品を通さず直接接続される(ショートする)ことのないように注意してください.

次に,NANDゲートとスイッチ端子を接続します.下図のように,1番ピンとD0端子,2番ピンとD1端子をそれぞれ接続します.

NANDゲートとスイッチ端子の接続

次に,NANDゲートとLED端子を接続します.下図のように,3番ピンとI0端子を接続します.

NANDゲートとLED端子の接続

これで,1番のNANDゲートには下図のように端子が接続されたことになります. NANDゲートはD0とD1からの入力に対して演算を行い,結果をI0に出力します. 入力と出力の関係は,下の真理値表のようになっています. また,真理値と実験ボードの動作の関係は,下の対応表のようになっています.

NANDゲートの動作

それでは,動作を確認します. スイッチおよびLEDと端子は,SW0とD0, SW1とD1, LED0とI0がそれぞれつながっています. たとえばスイッチSW0をONにし,SW1をOFFにすると, NANDゲートへはD0から1,D1から0が入力され,1がI0に出力されますから,LED0が点灯します. 実験ボードの電源スイッチをONにし,スイッチSW0とSW1のON, OFFを切り替えて, LED0が真理値表のとおりに点灯もしくは消灯することを確認しましょう.

NANDゲートの実際の動作

正しく配線しているにもかかわらず表のとおりに動作しないときは,ICが壊れている可能性があります. 壊れている場合は交換しますので,申し出てください.

確認が終わったら,電源スイッチはOFFにしておきましょう.