全学体験ゼミナール「じっくり学ぶ数学 I」

2021年度 Sセメスター

担当教員 牛腸 徹

お気づきの点がございましたら 牛腸(gochoアットマークms.u-tokyo.ac.jp)まで (ただし、誤リンクなどページの体裁については 清野(nkiyonoアットマークmail.ecc.u-tokyo.ac.jp)まで) ご連絡頂ければ幸いです。

最終更新:2022年4月1日(金)17:00


講義日時と場所


セミナー参加を考えられている方へ

今年度のSセメスターの全学ゼミナールは、原則、対面講義で行なわれる予定ですが、皆さんの自習の役に立つ可能性を考えて、新型コロナ以前、毎年、全学ゼミナールの時間にお配りしていたプリントのファイルを、予め、以下に置いておきます。


プリント


講義内容

第1回 (4月8日) の予定

ゼミナールの説明会という意味も込めて、ゼミナールの進め方、 数学を学ばれるにあたって大切ではないかと思われる点などについて説明する予定。

第2回 (4月15日)の予定

写像や関数の定義を与えた上で、 微(積)分学の主目標は「関数の性質をより良く理解する」ことであること、 また、そのための戦略が「理解の難しい一般の関数を「多項式の姿」に「化か」して、 理解の容易な「多項式の姿」を通してその性質を調べる」ことであることを述べる予定。 特に、sin x という関数を取り上げて、 sin x を「多項式の姿」に「化かす」ためには、 「次数が無限大の多項式の姿」を考える必要があることを注意する予定。

第3回 (4月22日) の予定

一般の関数が「多項式の姿」に「化ける」としたら、 どのような「姿」に「化ける」のがもっともらしいのかということを議論する予定。 また、1/(1-x) という関数を取り上げて、 この関数が |x|<1 という範囲でのみ、 「多項式の姿」に「化ける」ことを説明する予定。

第4回 (5月6日) の予定

「微積分学の基本定理」をもとにして、 部分積分を繰り返すことで、 一般の関数を「おつりの項」付きで 「次数が有限の多項式の姿」に「化かす」ことができることを説明する予定。 また、「積分に関する平均値の定理」を用いて、 「おつりの項」をより記憶に易しい形に書き直せることを説明する予定。

オプション講義 (5月13日) の予定

n次の多項式の中で、関数 f(x) のTaylor多項式が、x=0 の近くで、 f(x) を最も良く近似する(グラフの形が最も似ている)多項式であることを説明する予定。 また、より一般に、「x=a のまわりでのTaylor展開」ということについても説明し、関数 f(x) の x=a のまわりでのTaylor多項式が、x=a の近くで、 f(x) を最も良く近似する(グラフの形が最も似ている)多項式であることを説明する予定。 さらに、1次や2次のTaylor多項式の様子を調べることが、もともとの関数 f(x) の大まかな様子を「増減表を描いて調べる」ということに対応することを説明する予定。

第5回 (5月20日) の予定

三角関数や指数関数が、 実際に「次数が無限大の多項式の姿」に「化ける」ことを、 「Taylorの定理」を用いて確かめることができることを説明する予定。

第6回 (5月27日) の予定

Taylor展開の応用として、「自然対数 e の近似値の計算」と「極限の計算」について説明する予定。

第7回 (5月30日) の予定

「基本変形」とは何かということを説明した上で、「基本変形を用いた行列のrankの計算」についても説明する予定。

第8回 (6月3日) の予定

「基本変形を用いた逆行列の計算」について説明する予定。

第9回 (6月10日) の予定

「基本変形を用いた連立一次方程式の解法」について説明する予定。

第10回 (6月17日) の予定

「行列式」とは「(符号付の)面積や体積」を対応させる関数であることを説明する予定。また、そうした関数は、「多重線型性」、「歪対称性」、 「規格化条件」という三つの性質で特徴付けられることについても説明する予定。

第11回 (6月24日) の予定

与えられた行列の行列式の計算を、 よりサイズの小さな行列の行列式の計算に帰着させる原理について説明する予定。

第12回 (7月1日) の予定

前回の結果にもとづいて、 「行列式の展開公式」について説明する予定。 また、行列式は「行列の積」を「数の積」に写すということを説明し、 「行列式の値が0でない」ことと「正則行列である」 ことが同値であることについても説明する予定。

第13回 (7月8日) の予定

「余因子」とは何かということを説明した後で、 与えられた正則行列の逆行列を「余因子行列」を用いて具体的に表わす 「Cramerの公式」について説明する予定。