[2021A教養学部後期課程]ラテン語・ウンブリア語歴史言語学入門

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目次

授業概要

以下の記録の正確性は保証しない.

開講
令和3年度(2021年度)Aセメスター
科目名(後期課程)
特殊講義II[イタリア地中海研究コース]
科目名(英語)
Lectures on Special Topics II [Italian/Mediterranean Studies]
講義題目
ラテン語・ウンブリア語歴史言語学入門
講義題目(英語)
Introduction to Historical Linguistics of Latin and Umbrian
開講日時
金曜4時限(14:55/15:10–16:40)
時間割コード
08C2514
単位数
2.0
教室
オンライン授業
履修人数
2名

授業日程

教養学部の授業日程に従う.教養学部の授業日程に変更があった場合はそれに合わせる.以下と教養学部の授業日程の間に齟齬があった場合は教養学部の授業日程の方に従う.

  1. 2021/10/08
  2. 2021/10/15
  3. 2021/10/22
  4. 2021/10/29
  5. 2021/11/05
  6. 2021/11/12
  7. 2021/11/19: 11月26日は定期試験日のためなし
  8. 2021/12/03
  9. 2021/12/10
  10. 2021/12/17
  11. 2021/12/24
  12. 2022/01/07
  13. 2022/01/18: 火曜日に実施

第13回(2022/01/18)

授業内容

  1. 『イーグウィウムの青銅板』第1板A面第1–3行.

第12回(2022/01/07)

授業内容

  1. 「ウンブリア語」.

配布物

  1. 「ウンブリア語」.
  2. 語彙集(Buck).
  3. 語彙集(Poultney).
  4. 『イーグウィウム青銅板』テキスト抜粋(Buck).
  5. 『イーグウィウム青銅板』テキスト抜粋(Poultney).

第11回(2021/12/24)

授業内容

  1. 韻文抜粋(2–8).
  2. 『プラエネステの留め具』(羅Fībula Praenestīna, ILLRP 1)
  3. 『カストールとポッルークスへの献辞』(ILLRP 1271a).
  4. 『ドゥエノス碑文』.

次回と次々回について

次回はウンブリア語についての概説,次々回は『イーグウィウムの青銅板』第I表(表)第1行からを読みます.

第10回(2021/12/17)

授業内容

  1. エンニウス『年代記』第177–179行Sk.
  2. リーウィウス・アンドロニークス断片第1–4番.
  3. スキーピオー・バルバートゥスの墓碑銘.
  4. 韻文抜粋(1).

第9回(2021/12/10)

授業内容

  1. 「文字論・韻律論・講読箇所」.
  2. エンニウス『年代記』第175–176行Sk.

第8回(2021/12/03)

授業内容

  1. 「形態論(2)」(pp. 4–11).

配布物

  1. 「文字論・韻律論・講読箇所」.
  2. 講読用テキスト(「文字論・韻律論・講読箇所」参照).

正誤表

「文字論・韻律論・講読箇所」の以下の箇所を訂正してください.

箇所
p. 6, l. 13辞典OLD辞典としてはOLDのほかに語源辞典としてde Vaan (ed.), Etymologicalを用いるとよい.

課題

次回の講読予定箇所は次の通り.

  1. エンニウス『年代記』(羅Ennius, Annālēs)第175–179行Sk.
  2. リーウィウス・アンドロニークス(羅Līuius Andronīcus):frr. 1–4.
  3. スキーピオー・バルバートゥスの墓碑銘(ILLRP 309).
  4. 韻文抜粋.
  5. 『プラエネステの留め具』(羅Fībula Praenestīna, ILLRP 1)
  6. 『カストールとポッルークスへの献辞』(ILLRP 1271a).

第7回(2021/11/19)

授業内容

  1. 「形態論(1)」(pp. 5–13).
  2. 「形態論(2)」(pp. 1–3).

配布物

  1. 「形態論(2)」.

正誤表

「形態論(2)」の以下の箇所を訂正してください.

箇所
p. 2,下から4行目*̵h₁es-té*h₁s-té

第6回(2021/11/12)

授業内容

  1. 「形態音韻論」(pp. 2–5).
  2. 「形態論(1)」(pp. 1–4).

配布物

  1. 「形態論(1)」.

正誤表

「形態音韻論」の以下の箇所を訂正してください.

箇所
p. 2, 下から1行目語根が零階梯で屈曲語尾が完全階梯語根が完全階梯で屈曲語尾が零階梯
p. 3, l. 1「R(Ø) + E(é)」「R(Ø) + E(é)」(語根が零階梯で屈曲語尾が完全階梯)

第5回(2021/11/05)

授業内容

  1. 「音韻論」(pp. 23–27).
  2. 「形態音韻論」(pp. 1–2).

配布物

  1. 「形態音韻論」.

第4回(2021/10/29)

授業内容

  1. 「音韻論」(pp. 13–23).

配布物

  1. H. Rix, Historische Grammatik des Griechischen. Laut- und Formenlehre (Darmstadt, 1976), §§184–185 (S. 171–173)のコピー.
  2. A. L. Sihler, New Comparative Grammar of Greek and Latin (Oxford, 1995), §225.1 (p. 213), §231.3 (p. 221)のコピー.

第3回(2021/10/22)

授業内容

  1. 「音韻論」(pp. 6–12).

配布物

  1. A. L. Sihler, New Comparative Grammar of Greek and Latin (Oxford, 1995), §225.1 (p. 213), §231.3 (p. 221)のコピー.

補遺と正誤表

補遺

§2.2 (5) [p. 12]の *dk̑m̥tom > centum, ἑ-κατόν ‘100’に関して,印欧語の数詞一般について調べたい場合はJ. Gvozdanović (ed.), Indo-European Numerals (Berlin, 1992)が役に立ちます.また印欧祖語の数詞の形成法に関してはH. Rix, Historische Grammatik des Griechischen. Laut- und Formenlehre (Darmstadt, 1976), §§184–185 (S. 171–173)を,ギリシア語とラテン語の‘100’についてはA. L. Sihler, New Comparative Grammar of Greek and Latin (Oxford, 1995), §394 (pp. 422–423)を見るとよいでしょう.

正誤表

「音韻論」の以下の箇所を訂正してください.

箇所
p. 11, tab. 6, l. 7*̵V̄CV̄C

第2回(2021/10/15)

授業内容

  1. 「音韻論」(第1.1–1.4節).

配布物

  1. 「音韻論」.

補遺と正誤表

補遺

p. 5, l. 3: [z]が脱落することについてはたとえばD. Kavitskaya, Compensatory Lengthening: Phonetics, Phonology, Diachrony (diss. California, Berkeley, 2001), 78–79参照.A. L. Sihler, New Comparative Grammar of Greek and Latin (Oxford, 1995), §225.1 (p. 213), §231.3 (p. 221)にほかの例や関係する例(*rst, *rskでは流音が脱落するのに対して *rsd, *rsnでは *sが脱落する)があります.古典期に存在した子音・母音の発音については,たとえばE. H. Sturtevant, The Pronunciation of Greek and Latin (Philadelphia, ₁1920, ₂1940)がわかりやすいでしょう.

正誤表

「音韻論」の以下の箇所を訂正してください.

箇所
p. 5, ll. 18–19は無声化しが無声化するとき

第1回(2021/10/08)

授業内容

  1. 「オンライン授業について」.
  2. 「序論」.

配布物

  1. 「オンライン授業について」.
  2. 「序論」.

正誤表

「序論」の以下の箇所を訂正してください.

箇所
p. 2,下から5行目異化同化

シラバス内容

講義題目

ラテン語・ウンブリア語歴史言語学入門(Introduction to Historical Linguistics of Latin and Umbrian)

授業の目標・概要

古代ラテン語の歴史的変遷について講義を行い,その後でいくつかのテキストを演習形式で読む.またラテン語と同じイタリック語派に属するウンブリア語について簡単に学び,テキストを演習形式で少し読む.古典ラテン語初級を終えていることが望ましいが,学習中でも構わない.

ラテン語は,資料の多さという点でギリシア語やサンスクリット語と同様に印欧語比較言語学において重要である.学習者が一般にはじめに学ぶ古典ラテン語を詳しく調べるだけでも有益であるが,古典ラテン語より前のラテン語には古い形態が保存されていることが多く,歴史的変遷を考える上で重要である.また,ほかのイタリック諸語と比較することでさらに理解を深めることができるため,今回はウンブリア語について簡単に解説する.

この授業には主に3つの役割がある.すなわち

  1. 古代ラテン語中級文法として
  2. 古ラテン語(古典ラテン語以前のラテン語)入門として
  3. 印欧語比較言語学入門として

の役割である.古代ラテン語の歴史的変遷について学ぶと,初級文法では分かりづらかった音韻的特徴,形態的特徴を理解することができるようになる.また,ギリシア語やサンスクリット語をはじめとしたほかの印欧語と比較するのも容易になる.

授業のキーワード

日本語
ラテン語,イタリック語派,ウンブリア語,ギリシア語,ギリシャ語,サンスクリット語,印欧語,碑文
英語
Latin, Italic, Umbrian, Greek, Sanskrit, Indo-European, Inscription

授業計画

次の順番で授業を行う予定である.

  1. ラテン語
    1. 音韻論
    2. 形態論
    3. 文字論
    4. 演習
  2. ウンブリア語
    1. 文法(音韻論・形態論)・文字論
    2. 演習

演習で扱うテキストについて,詳しくは授業中に指示するが,エンニウス,プラウトゥス,カトー,ルクレーティウスらの作品を少しずつとおおむね紀元前3世紀までの碑文をいくつか扱う予定である.

ラテン語の演習が終わったのち,ウンブリア語の概説を行い,『イーグウィウム碑文』(イタリア・グッビオ)を少し読む.

授業の方法

当授業はオンライン授業(90分授業)である.105分授業との差分の15分については,演習の回はその予習に充ててもらう.講義の回(「授業計画」の「演習」以外の回)は,履修者の理解度によっては小テストに充てることがある.小テストを行わない場合は各自の復習の時間に充ててもらう.

小テストは,前回の授業で学んだ基本的な事項を理解できているかどうかを試す簡単なものである.オンライン授業の場合,ITC-LMSの「テスト」機能を用いて行う.

はじめの数回は講義である.「授業計画」に書かれているとおり,音韻論・形態論・文字論の順番で解説する.予習は必要ないが,復習を行い,次回以降の講義が容易に理解できるよう準備してほしい.

そのあとは演習である.テキストのコピーを事前に配布する.予習が必須である.授業中,学生が順番に訳読し,文法上問題となる箇所について議論する.

成績評価方法

訳読状況と授業への参加状況(発表・発言など).

小テスト(「授業の方法」参照)を行う場合,成績評価に占める割合は100点満点中20点以下とする.

教科書

プリントを使用する.

参考書

参考書は特に指定しない.授業中に適宜紹介する.

履修上の注意

古代ラテン語の歴史的変遷について学ぶと,初級文法で丸暗記した(あるいは「せざるを得なかった」)変化表の裏に隠れていた規則性がよくわかるようになり,それぞれの変化表の間の関係も容易に理解できるようになる.初級文法を終えたばかりの学生は,まずこれらを理解することを目標としてほしい.中級講読や演習ですでにいくつかの古代ラテン語の古い文献を読んだことがある学生は,「古い形」あるいは「特殊な形」として解説されているような形態や単語を,歴史的変遷を考えつつ,自分の言葉で説明できるようにすることを目標としてほしい.ほかの印欧語を学んでいる学生はラテン語との比較を試みてほしい.

関連ホームページ

http://lecture.ecc.u-tokyo.ac.jp/~cmatuura/

研究室電話番号

授業の前に相談を受け付ける.事前にメールで連絡してほしい.

オンライン授業URL

UTAS / UTAS Lite / ITC-LMS(コースの概要説明)のいずれかで確認すること.UTASやITC-LMSの負荷が高いときはUTAS Liteを利用するとよい.

ZoomまたはITC-LMSに大規模な障害が発生した場合はGoogle MeetやGoogle Classroomを利用する.ECCSクラウドメールのアドレスでログインして必要な操作を行うこと(第1回に配布する「オンライン授業について」参照).

オンライン授業内容

UTAS / UTAS Lite / ITC-LMS(コースの概要説明)のいずれかで確認すること.UTASやITC-LMSの負荷が高いときはUTAS Liteを利用するとよい.


Last modified: 2022/01/18

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© 2021–2022 MATSUURA Takashi