森林政策学演習(ver2008):文献・資料の調べ方
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目次
- 文献の調べ方
- 古井戸 宏通「周辺分野の研究者により周辺分野の雑誌に書かれた外国林業関係和文論文―旧NACSIS-IRを中心としたデータベース検索例―第1回:検索の方法と採録の基準」『林業経済』58(6), 2005年9月, pp.19-22
*本文を参照してほしいが、キモは三木敦朗氏が詳解してくれているので、以下のサイトをみれば良い:
http://astatel.net/mikia26/old/foreco/t01/p01.html
- 「林業経済若手交流会」による検索・資料リンク
( http://www.geocities.jp/forestwakate/link.html )
#若手同士の情報交換BBSもあります。
- 林業・林産関係国内文献情報データベース <森林総合研究所>folis
( http://cs.ffpri.affrc.go.jp/folis21/folis_pub/folis_index.html ):1978年以降の森林・林業・林産業分野の論文目録
*林業関係の業界誌など、CiNiiなどで拾えないものが捕まる。
- 国立情報学研究所 GeNii( http://ge.nii.ac.jp/genii/jsp/index.jsp )
→論文はここからCiNii( http://ci.nii.ac.jp/ )に入る:一部全文DL可(三木氏サイト参照)
- 農林水産技術会議蔵書目録( http://library.affrc.go.jp/opac.html ):農林水産省の行った調査報告類が極めて豊富なほか、社会科学系の蔵書も充実している。
- 林野庁図書館( http://www.ryokan.maff.go.jp/opac_app/index.html )
- 国立公文書館のデータベース( http://www2.archives.go.jp/ )
- 新聞記事文庫(神戸大)( http://www.lib.kobe-u.ac.jp/sinbun/search.html ):戦前記事(!)
- 資料室所蔵紀要全文公開サイト(富山大経済学部) http://www3.u-toyama.ac.jp/dsec/zenbunk.htm
→CiNiiからではDLできないものがかなり拾える(国立情報学研にコンテンツ情報を提供せず独自レポジトリを設けている大学がまだまだ多いため)。ここに載っていない大学紀要類も、次々にレポジトリ化が進められているので、ここになくても諦めるのは早い。日進月歩の世界である。権威ある紀要類のなかにはオープンアクセスに消極的な雑誌が見受けられるが、残念なことである。被引用回数の統計が取られるようになればレポジトリ化が加速することは間違いない。
- キカンシネット( http://www.kikanshi.net/ ) *学術誌と比べ、営利性が強い機関誌・業界誌などは、通常目次しかウェブ上では見られないことが多いが、このサイトから「全ページ読めます!」というリンクをみると、機関誌にも結構全文見られるものが出てきているということが判る。諦めるのは早い。今のところ農業関係が多いほか、経済関係も若干。New
- 大阪市立大学経済学文献目録( http://rdbsv01.ipc.media.osaka-cu.ac.jp/eri/search/php3/srch_top.php3 ) *『経済評論』誌にかつて掲載されていた文献目録をデジタル化したものらしい。たいがいの文献はCiNiiでカバーされている筈だが、CiNiiが目次掲載を受け付けるようになる前に廃刊になった雑誌はこちらでしか検索できない筈。
- 法令検索( http://law.e-gov.go.jp/cgi-bin/idxsearch.cgi )
- 判例検索( http://www.courts.go.jp/search/jhsp0010?action_id=first&hanreiSrchKbn=01 )
- 紀伊国屋書店( http://bookweb.kinokuniya.co.jp/guest/cgi-bin/wshosc.wb )
- 日本の古書店( http://www.kosho.or.jp/servlet/bookselect.Kihon )
- 新書マップ( http://shinshomap.info/search.php ) *良書が新書で山ほど出る時代に、このサイトは有り難い。それだけでなく連想語検索システムがよくできていて驚嘆に値する。 08.7.16追加
- 図書全文検索( http://books.google.com/ ) *グーグル社が、たしか慶応大と提携して始めた既刊図書の全文デジタル化プロジェクト。入力したキーワードを含む本とサワリの部分が表示される。New
- 青空文庫( http://www.aozora.gr.jp/ ) *著作権の切れた小説などをボランタリーに共有資源化するプロジェクトNew
- Google Scholar( http://scholar.google.com/ ) *だいたい、キーワードにつづけて、filetype:pdfと入れた場合と似たり寄ったりの結果。学術論文に絞った検索結果が出る。洋文献を探すときに便利。New
- 学術論文・紀要・卒論・修論・博論などの検索方法
Googleで、"キーワード site:ac.jp filetype:pdf"ぐらいで結構拾える。
→副産物として、どの分野がどの大学で集中的に研究されているかが判ったりします。- 政府系サイト(含:政府系研究機関)内リソースの検索方法:Googleで、"キーワード site:go.jp"。
- 都道府県サイト内リソースの検索方法:Googleで、"キーワード inurl:pref site:jp"。都道府県によってurl内の"pref"の位置が違うので、inurl構文を使うのがミソ。(このへんの基本的な検索ワザは、津田大介(2006)『仕事で差がつくすごいグーグル術』(青春新書)、青春出版社、221pp.を参照)
等々
- 文献調査追補
三木敦朗氏より、さらにご教示をいただきました。
- 学術雑誌でない雑誌の記事は、国立国会図書館の「雑誌記事索引」が有用
http://opac.ndl.go.jp/ (「雑誌記事索引の検索/申込み」から入る)
- 久保田博幸『ネットで調べる経済指標』(毎日コミュニケーションズ)
http://book.mycom.co.jp/book/978-4-8399-2526-0/978-4-8399-2526-0.shtml
*金融関係の統計情報が充実していそう。
- 地域に行く前に概要を把握するには?
- 地域調査のための予備情報収集(林業以外を含めた地域概要)
- 『角川日本地名大辞典』(全?巻)→調査地の土地鑑を養うのに使える。
- 地方紙のサイトで、過去記事が無料で閲覧できる場合がある。
- 『統計ガイドブック社会・経済』(第2版)、木下・土居・森、大月書店 3990円
→国や地域レベルで、どういう統計があるかの一覧と、使い方の概要。これを見て、人口、土地、労働、環境、産業等、各種一次統計に当たるのが本筋。
- 『地域経済総覧』『民力』『全国市町村要覧』→いずれも年刊。民力はCD版もある(他は不明)。調査値の概要を手っ取り早くつかむのに使える二次統計。が、いずれも高価。後述の「コミュニティプロフィール」(無料総務省webサイト)でかなり代用できるようになった。
- その土地についての学術論文(上記「文献の調べ方」参照)はもちろんだが、司馬遼太郎の『街道をゆく』シリーズなどの紀行文学が役立つことがある。 *出版社も似たような用途を考えたらしく、朝日新聞社編(1989)『司馬遼太郎 街道をゆく 人名・地名録』927pp.という分厚い<索引+本文抄録>スタイルの本が出ている。
- 統計利用に当たっての留意点
- D.ハフ(1968)『統計でウソをつく法―数式を使わない統計学入門』講談社ブルーバックス *数式を使った統計学の入門書は多々あるが、統計利用・分析にあたっての基本的な注意事項が書かれた古典的名著。ハーバード大学卒業生への所得アンケートの例など。
- 田村秀(2005)『データの罠―世論はこうしてつくられる―』集英社新書
#消費税は「反対」「やむをえない」「賛成」という某紙世論調査の例など。- その他((C)奥山洋一郎、2006年:URL以外の文章は大幅に改変)
- 地域における全般的統計データ
政府関係の統計については、以下のページがポータルとなっています。
http://www.e-stat.go.jp/
- 農業・山村関係データ
- 調査先の概要
http://www.tdb.maff.go.jp/machimura/ (わがマチわがムラ)
- 農業地域類型
1995年センサスで登場するのですが、2000年には消えています。
九州大学の興梠克久先生にご教示いただき、農水省統計情報部のページに補足表あり。
http://www.maff.go.jp/census/2000/area.html
- 山村の地域指定
山村振興法の指定地域については、全国山村振興連盟のページに加盟山村のリンク
http://www.sanson.or.jp/index20.html
があるのみ。- 市町村変遷パラパラ地図 New
http://mujina.sakura.ne.jp/history/
*市町村合併の経緯をビジュアルに追える驚異のページ。1980〜2008年までがカバーされているようである。(A先生からご教示いただきました)
- 森林・林業関係統計資料
林政学の草創期において当時のドイツ林学を紹介した川瀬(1903)『林政...(目下失念中)』は、国の林政において立法や管理の基礎を確定するために試験研究に加えて統計が重要であるとし、調査すべき事項としては、1)森林生産、2)林産物消費、3)林産物運搬、4)森林教育、をあげている。このうち森林教育については、重要だが実際には国有林の管理者に関する統計情報程度にとどまっている国が多いとしている。生産を「林産物」とせず「森林」と呼ぶところが通常の経済統計との差異。
- 二次統計類
- 『林業統計要覧』各年版、『同』時系列版 *便利なハンドブックだが、論文に引用するのは不可。正確には一次統計に当たること。
- 『林業白書』各年版(林業基本法に基づき発行)
- 『日本林業年鑑』各年版(1980年代途中まで。その年の林野庁の新規政策が予算も含めてまとめられており、至便だった。廃刊が惜しまれる)
- 『林野時報』誌:林野庁の公式広報誌。統計はあまり出てこないが、行政施策の公式的な説明があるので便利。 folisの守備範囲。
- 一次統計
川上は主として農林水産省統計部 http://www.maff.go.jp/tokei.html 、
川下(合板、パルプなど)や産業連関表は経産省調査統計部 http://www.meti.go.jp/statistics/ 、
貿易は財務省貿易統計 http://www.customs.go.jp/toukei/info/index.htm 、など所管が異なる。総務省統計局が全体の調整をすることになっている。国民経済計算なども所管。それ以外については、日本(や米英)は各省庁の権限が強い「分査的」統計行政組織を採用している。
- 研究書
- 甲斐原一朗(1953)「林業―いわゆる山林地主の実態」『日本農業の統計的分析』(近藤康男編)
- 林野弘済会編(1967)『解説日本林業統計: 昭和における分析のために』、林野弘済会
- 熊崎 実(1967)「林業発展の量的側面」『林試研報』201, 174pp.
- 安藤嘉友「林業統計発達史(1)」『林業経済』229、1967年
- 安藤嘉友「林業統計発達史(2)」『林業経済』230、1967年
- 農林省統計調査部、農林統計研究会編 、農林統計研究会『林業統計史』、1970年
- 餅田治之・柳幸広登(1987)「主要林業統計目録」『林業経済研究所四十年のあゆみ』所収
- 志賀和人(2000)「林業統計と林業構造分析」、船越昭治編著『森林・林業・山村問題研究入門』所収
- 農林統計協会編(2000)『農林水産統計用語事典 - 改訂新版 -』農林統計協会
- 古井戸・岡裕泰・田村和也(2001)「FAO林産物統計の問題点」『日本林学会関東支部論集』53, pp.19-22
- 餅田治之・志賀和人編著(2001)『2000年林業センサスにみる日本林業の構造と森林管理』, 全国農林統計協会連合会
- 古井戸・家原敏郎(2006)「主要国における林業が資源・環境に与える影響の定量化手法」、板橋郁夫編著『水資源・環境問題の現在』成文堂所収、pp.571-591
- その他
官庁統計は、従来産業ベースの統計が中心であり、主として事業所調査をもとに組み立てられてきた。上記から抜けているのは環境データを含めた森林資源統計。古井戸・家原(2006)を参照のこと。
- フィールド調査法
【主な参考文献】
- 秋野正勝ほか(1978)『現代農業経済学』東京大学出版会、249pp.:「卒論の書き方」という章など
- 宮本常一(1975)『忘れられた日本人』未来社→岩波文庫、334pp.:一級の民俗学者の調査例
- 網野善彦(2003)『「忘れられた日本人」を読む』(岩波セミナーブックス)、岩波書店、229pp. *他にも何冊か解説書が出ているが、代表的なもの。
- 島津康男(1981)「流域圏を考える―水からみた地域」ジュリスト増刊総合特集23『現代の水問題―課題と展望』所収、pp.97-104:調査項目の整理方法が参考になる
- Wright, G.、斎藤和彦訳(1995)「水源域の保全と合意形成―ヤラ水系保全局の成功例」『水利科学』39(4)、pp.91-101:宮本は民俗学者、ライトは行政官という立場の違いはあるが、どうやって住民から「本音」を聞き出すかに腐心している点は共通。
- 池永正人(2002)『チロルのアルム農業と山岳観光の共生』風間書房、215pp.〜巻末に海外単独調査の方法論あり
- 日本村落研究学会編(2007)『むらの資源を研究する―フィールドからの発想―』農文協、260pp. *不覚にも2008年5月まで知らず紹介できなかった。入門的に書かれているが、歴史から21世紀の新たなテーマまで、地域から海外まで、幅広く丁寧にツボを押さえた一流の執筆陣による好著。林政で卒論を書くなら必読。
- 日本村落研究学会編(2007)『むらの社会を研究する―フィールドからの発想―』農文協、272pp. *またまた三木氏にご教示いただきました。これもコンパクトな良書。上記の姉妹編です。
*このほか有名なところでは、
- 梶田真・仁平尊明・加藤政洋【編】(2007)『地域調査ことはじめ―あるく・みる・かく』ナカニシヤ出版、257pp.
- 宮内泰介(2004)『自分で調べる技術―市民のための調査入門』(岩波アクティブ新書117)岩波書店、199pp.
- 佐藤郁哉(2002)『フィールドワークの技法』新曜社、346pp.
- 佐藤郁哉(2002)『経営と組織について知るための実践フィールドワーク入門』有斐閣、376pp.
- 佐藤誠【編】(1996)『地域研究調査法を学ぶ人のために』世界思想社、256pp.
- 福武直(1987)『社会調査(補訂版)』(岩波全書)岩波書店、259pp.
等々
- 産業連関・マテリアルバランス関係<2008年度はやる予定なし>
- 古井戸・家原(2006)「主要国における林業が資源・環境に与える影響の定量化手法」、板橋郁夫編著『水資源・環境問題の現在』成文堂所収、pp.571-591
- 山本伸幸(2007)「森林セクターの国民経済への貢献」、森林総合研究所編『森林・林業・木材産業の将来予測』日本林業調査会所収、pp.389-407 #今話題のオーストリア林業との比較論に、産業連関分析を用いて一石を投じたホットな知見。
- その他
地図サイト:いろいろある。(財)日本地図センターの http://info.jmc.or.jp は便利そうだがバグ多い(?)。 http://map.yahoo.co.jp/ あたりで十分か。宿を探すのにも使える。
- 北海道関係
- 森林・林業関係の「地域」の範囲(北海道富良野地方の場合)
- 国有林:森林管理局・森林管理署
http://www.hokkaido.kokuyurin.go.jp/kyoku/introduction/sosiki/zentai.html :上川南部森林管理署
- 国の出先(北海道開発庁up to2001:Wikipedia参照)<国営事業>
→国土交通省北海道開発局 http://www.hkd.mlit.go.jp/ :石狩川流域
- 道有林:森づくりセンター
http://www.pref.hokkaido.lg.jp/sr/dyr/doyurinka/doyurin.htm :上川南部。富良野近辺にはない。
- 北海道の民有林行政(≒流域活性化センター)
http://www.jawic.or.jp/riyou/ryu_iki/hokkai/index.html
- 北海道行政の出先:上川支庁
http://www.kamikawa.pref.hokkaido.lg.jp/ 、 http://www.kamikawa.pref.hokkaido.lg.jp/ds/desaki.htm
- 森林組合の所管 http://www.doshinren.or.jp/toppage.html →道北ブロック
- 市町村林務担当部局:各市町村(コミュニティ・プロフィールなど)
※いずれも、近年広域合併が進んでいる。
- 北海道経済・北海道林業全般
- 『北方林業』誌→folisの守備範囲。
- 北海道経済白書、北海道統計(含:道産業連関表):道HPにある
- 北海道森林づくり白書 http://www.pref.hokkaido.lg.jp/sr/sum/kcs/r-g/r-hakusyo/top.htm
- 北海道木材利用建築物事例集 http://www.pref.hokkaido.lg.jp/sr/rrm/torikumi/public/top.htm
- 十勝支庁カラマツ材利用協議会 http://www.tokachi.pref.hokkaido.lg.jp/ss/rnm/
- 道産業連関表(経済産業省版) http://www.hkd.meti.go.jp/hoksr/h12renkan/12renkan.htm
- 「林分施業法」関係
- アイヌ関係
○文献はこちら
- アイヌ文化交流センター http://www.frpac.or.jp/itm/jigyo403.html
- アイヌ生活文化再現マニュアル http://www.frpac.or.jp/kodomo/flash/bunka/bunka_main.html
- アイヌ語ラジオ講座(STVラジオ、無料登録制) http://www.stv.ne.jp/radio/ainugo/index.html
- 経済学用語で困ったら…
- 都留重人編(1994)『岩波経済学小辞典』岩波書店、366pp.
連絡担当:古井戸(furu@fr.a.u-tokyo.ac.jp:"@"は半角に変えてください)
(C)H.Furuido
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