授業用ディレクトリの作成

ホームディレクトリの下に授業用のディレクトリ(フォルダ)を作成します. Finder を使って作成してもいいのですが, この授業ではターミナルを頻繁に使用しますので, ここでもターミナルから新規フォルダを作成してみます.

ターミナルからのコマンド入力

ターミナルからは,「コマンド」を入力することで, フォルダの作成,ファイルのコピー,ファイルの移動など, さまざまな作業を行うことができます (できることはファイル操作だけでなく,他にもたくさんあります). おそらくみなさんは, こうした作業を GUI(グラフィカルユーザインタフェース)を通して行ってきたと思います. たとえば,マウスを使ってアイコンをクリックしたり, メニューから作業を選択したりする操作です. こうした操作はわかりやすいのですが, いちいちキーボードから手を放してマウスをクリックする作業は煩わしいとも言えます. コマンドの入力は最初の敷居が高いですが, 慣れてくると高速な操作が可能で,ストレスなく作業できるようになります.

入力するコマンドは Unix という OS で使われるものです. Mac OS X は Unix をベースに開発されていますので, Unix のコマンドが使えるのです. この授業で皆さんに使ってもらうコマンドはごくわずかです. 最初は難しく感じるかと思いますが, 同じコマンドを繰り返し使うので,数回の授業で慣れることができると思います. Unix コマンドの解説はウェブでたくさん見つかります.

ターミナルの起動

ターミナルを起動するには, 黒いテレビ画面のようなアイコンをマウスでクリックします.

terminal icon

下図のようにターミナルが起動します.

terminal

ターミナルには「仕事場所」という概念があります. ワーキングディレクトリ(working directory)といいます. みなさんがアクセスできるディレクトリ(フォルダ)の階層構造において, どこかのディレクトリがワーキングディレクトリとなります. ターミナルを起動すると,みなさんのホームディレクトリが仕事場所となっています.

授業用ディレクトリの作成

ターミナルを起動したら,


ls

と入力して [Return] キーを押してみてください. この ls コマンドは,list という意味であり, 現在のワーキングディレクトリにあるファイルとフォルダの一覧を表示するコマンドです. ターミナルを起動したときのワーキングディレクトリはホームディレクトリですから, ホームディレクトリにあるフォルダとファイルの一覧が表示されます.

ls command

ここに授業用のフォルダを作ります. フォルダの名前は何でもけっこうです. 以下では,このフォルダの名前を densan2 とします.

ターミナルで,


mkdir densan2

と入力して [Return] キーを押してください(mkdir の後に半角スペースが必要). mkdir は make directory の意味であり, ディレクトリを作成するためのコマンドです.

もう一度 ls と入力して [Return] キーを押すと, densan2 というフォルダができているのがわかります. フォルダとファイルを区別して表示するには,


ls -F

としてください(ls の後に半角スペースが必要). こうすると,フォルダの後ろには / がつきます. 以下の図では,すべてがフォルダですね.

ls -F command

ディレクトリの移動

授業では,授業用フォルダの下に,作成したプログラムを保存していきます. 授業が始まったら,ターミナルを起動し,授業用フォルダに移動しておきます.

ディレクトリ(フォルダ)の移動方法を説明します. いま,ワーキングディレクトリはホームディレクトリであり, ここに授業用ディレクトリ densan2 が作られているとします.


cd densan2

と入力し(cd の後に半角スペースが必要),[Return] キーを押してください. これでワーキングディレクトリは densan2 に変わります. cd は change directory の意味であり, ワーキングディレクトリを移動するためのコマンドです. ターミナルを起動した後, ホームディレクトリの直下にあるディレクトリに移動するなら, cd に続いて移動先のディレクトリ名を指定してください.

現在のワーキングディレクトリがどこであっても,


cd ~/densan2

とすれば, ホームディレクトリ直下にある授業用ディレクトリ(densan2)に移動できます. ~(チルダ)がホームディレクトリを意味します.

現在のワーキングディレクトリを確認するには,


pwd

と入力して [Return] キーを押してください. pwd は print working directory の省略です. 現在のワーキングディレクトリを表示します. 授業用ディレクトリにいるのならば,下図のように表示されます.

pwd command

授業用のディレクトリから, ひとつ上のホームディレクトリに戻るには,


cd ..

と入力して [Return] キーを押します. cd の後に半角スペースを入れ,ピリオド(.)を2つ打ちます. pwd コマンドで現在のディレクトリを表示させると, ホームディレクトリに戻ってきたことがわかります.

pwd command

ターミナルの終了

ターミナルを終了するには,最初に


exit

と入力して [Return] キーを押します. [プロセスが完了しました] と表示されます. (環境によっては,このメッセージなしにウィンドウが閉じられるかもしれません.)

exit terminal

続いて. メニューから「ターミナルを終了」を選びます. メニューを使う代わりに, [command] キーと [Q] キーを同時に押してもターミナルを終了できます.

exit terminal

exit コマンドを入力してからターミナルを終了するのは面倒に思いますが, このように2段階で終了させる習慣にしてください. バックグラウンドで動いている処理があるとき, いきなりターミナルを閉じてしまうと, 処理が正常に終了しないことがあるからです.