1. コマンドラインツールのインストール
授業では,ソースプログラムのコンパイルと,実行プログラムの実行を, ターミナルで行っています. 個人用の Mac でも,これらをターミナルで行うことにしましょう.
コンパイルには clang を使っています. 個人用 Mac で clang を使えるようにするためには, Xcode あるいはコマンドラインツールをインストールする必要があります.
いずれをインストールする場合にも Apple ID が必要です. Apple ID を持っていない人は以下のリンクにアクセスして作成してください. https://appleid.apple.com/
Xcode はアップルが提供する統合開発環境です. AppStore から無料で入手して簡単にインストールできますが, clang を使えるようにするためだけにインストールするのは大げさすぎます.
そこで,コマンドラインツールをインストールすることにします. これは Appple Developer のサイトから入手できます. トップページから探すと見つけるのにけっこう苦労するかもしれないので, https://developer.apple.com/download/more/ にアクセスしてください. Apple ID とパスワードを入力してログインします.
検索窓に Command Line と入力して検索します. さまざまなバージョンの Command Line Tools がヒットします.
自分の Mac OS に適合する Command Line Tools を選択(マウスでクリック)してください. 以下の画面では,Command Line Tools (macOS 10.12) for Xcode 9.0.1 を選択しています. このときコマンドラインツールをインストールしようとしていた Mac の OS は, macOS Sierra バージョン 10.12.5 でした. 右端に見える dmg(ディスクイメージ)ファイルへのリンクをクリックすると, ダウンロードが始まります.
ダウンロードフォルダにダウンロードされた dmg ファイルをダブルクリックします.
すると,ディスクイメージがマウントされて, その中にある pkg ファイルが現れます.これをダブルクリックします.
インストーラが起動します.「続ける」ボタンをクリックします.
使用許諾契約の文書が表示されます.「続ける」ボタンをクリックします.
使用許諾契約への同意が求められます.「同意する」ボタンをクリックします.
コマンドラインツールのインストール先をたずねられます. 標準から変更する必要はないので,このまま「インストール」をクリックします.
macOS のユーザアカウント(Mac にログインするときのアカウント)のパスワードを求められます. パスワードを入力して「ソフトウェアをインストール」をクリックします.
インストールが始まります.インストールには5分ぐらいかかります.
インストールが完了したというメッセージが現れたら, 「閉じる」をクリックします.
コンパイラ clang がインストールされたかどうかを確かめるには, ターミナルを起動して,
clang -v
と入力して [return] キーを押します. 以下のように clang のバージョン情報が表示されれば, clang が使える状態になっています.
コンパイラ clang がインストールされていない場合には, 以下のように, コマンドラインツールあるいは Xcode のインストールを促すメッセージが表示されます.
2. Visual Studio Code のインストールと使用
2.1 インストール
Visual Studio Code は Microsoft が開発したテキストエディタです. インストールのために, Visual Studio のページにアクセスします.ページ内で, Visual Studio Code のダウンロードリンクを探してください. すぐに見つかると思います.
macOS 用のパッケージを選択します. 下図では「macOS Universal パッケージ」です. macOS 用のパッケージとしては,他に Intel Chip パッケージ(Intel チップ搭載 Mac 用)と Apple Silicon パッケージ(M1 チップ搭載 Mac 用)があり, Visual Studio Code の公式ページ からダウンロードできます.
Visual Studio Code のダウンロードページ (Visual Studio Code の公式ページ)が表示されます. ダウンロードの許可を求められますので, 「許可」をクリックします. もし,このメッセージが出てこない場合には,[Download] ボタンをクリックしてください.
ダウンロードフォルダへのアプリケーションのダウンロードと解凍が行われます. 解凍が終わったら,Finder でダウンロードフォルダ表示します. Visual Studio Code を「アプリケーション」フォルダに移動させます.
Finder でアプリケーションフォルダを表示します. Visual Studio Code のアイコンをダブルクリックして起動します.
起動初回は,Visual Studio Code の検証が行われます.
Visual Studio Code を開いてよいかたずねられます. [開く] ボタンをクリックします.
Visual Studio Code が起動します. Get Started の画面になります.全体の見えとして Dark が選択されています. このままでも,別の見えを選んでもかまいません. 左下の Mark Done をクリックします.
これでプログラムを書くことのできる状態になりました.
おそらく「表示言語を日本語に変更するには言語パックをインストールします」 というメッセージが右下に表示されます. 現在はメニューが英語表示になっているので, 日本語表示にしたければ [インストールして再起動] ボタンを押します.
表示を日本語にしたいのに,言語パックインストールのメッセージが現れない場合は, [View] から [Command Palette...] をクリックします.
表示されるメニューから Configure Display Language をクリックします.
[Install Additional Language...] をクリックします.
左側にインストール可能な言語の一覧が表示されます. 日本語の [Install] ボタンを押します.
インストールが終わると,右下に In order to use VS Code in Japanese, VS Code needs to restart. というメッセージが表示されます. [Restart] ボタンを押します.
アイコンが縦に並んでいる一番左側の領域を「アクティビティバー」, そのすぐ右側の領域を「サイドバー」と呼びます(下図). アクテビティーバーのアイコンをクリックすると, サイドバーへの表示が変わります. 一番上のアイコンは「エクスプローラー」です. このアイコンを選択したとき, プログラムを保存するフォルダがサイドバーに表示されるようにするとよいでしょう. Visual Studio Code をインストールした直後は,下図のように, 「フォルダーをまだ開いていません。」というメッセージが表示されていると思います. [フォルダーを開く] ボタンを押して,プログラムを保存するフォルダを表示しておきましょう.
2.2 プログラムを書く
ソースプログラムを書くには [ファイル] メニューから [新規ファイル] をクリックします.
「言語の選択をします」というメッセージが表示されます. 青色の文字の「言語の選択」をクリックします.
C 言語を選択します.
これでソースプログラムを書く準備ができました.
はじめて C 言語を選択したときには, 右下に「C にお勧めの拡張機能をインストールしますか?」と表示されます. インストールしておくとよいでしょう(インストールしなくても問題ありません).
参考記事: Visual Studio CodeでC/C++プログラミング
「C にお勧めの拡張機能をインストールしますか?」に対して [インストール] ボタンをクリックすると, C/C++ for Visual Studio Code という拡張機能をインストールする画面となります. [インストール] ボタンを押せば,この拡張機能がインストールされます.
エディタでソースプログラムを書きます.
ソースプログラムを書いたら保存します. [ファイル] メニューから [名前を付けて保存...] をクリックし, 適当な名前を付けて,授業用のフォルダなどに保存します.
保存したソースプログラムを, ターミナルからコンパイラ(clang)でコンパイルします.
3. Emacs の起動(macOS 10.14 Mojave 以前)
macOS 10.14 Mojave 以前の Mac には Emacs がインストールされています. この Emacs はターミナルの中で動かします.
3.1 ターミナルの起動方法(その1:Launchpad から)
ターミナルは Launchpad から起動することができます.最初に, 画面下部の Dock にある Launchpad のアイコンをクリックして, Launchpad を開きます.
ターミナルは「その他」グループの中にあります.「その他」をクリックします.
ターミナルのアイコンをクリックすると,ターミナルが起動します. ターミナルを頻繁に使うなら, ターミナルのアイコンを Dock にドラッグアンドドロップして, Dock に追加しておくとよいでしょう.
ターミナルの文字が小さいようなら, [command] キーを押しながら [+] を何度か入力します.
3.2 ターミナルの起動方法(その2:Finder から)
ターミナルは Finder から起動することもできます.最初に, 画面下部の Dock にある Finder のアイコンをクリックして, Finder を開きます.
ターミナルは「ユーティリティ」フォルダの中にあります. Finder でユーティリティフォルダにアクセスするには, [command]キーを押しながら [shift]キー を押し, そのままさらに [U] キーを押します(3つのキーを同時に押すことになります).
ユーティリティフォルダが開かれたら, その中にあるターミナルのアイコンをダブルクリックすると, ターミナルが起動します.
3.3 ターミナルの起動方法(その3:Spotlight から)
ターミナルは Spotlight で検索して起動することもできます. [command] キーを押しながら [Space] キーを押すと, Spotlight が起動します.
"terminal" あるいは日本語で「ターミナル」と入力すると(" " および「」は不要), おそらくは入力の途中で,terminal.app というアプリケーションが見つかります. 下図の画面になったら [return] キーを押すと,ターミナルが起動します.
3.4 Emacs の起動方法
Mac にあらかじめインストールされている Emacs はターミナルの中で使用します.
ターミナルのウィンドウは2つ開いておきます. ひとつはプログラムのコンパイルと実行のため, もうひとつは Emacs を動かすために使います.
上述の方法のいずれかでターミナルを起動したら, 新規ウィンドウを開きます. 新規ウィンドウを開く最も簡単な方法は, [command] キーを押しながら [N] キーを押すことです.
新規ウィンドウを開くのに GUI を使いたければ,下図のように, ターミナルの「シェル」メニューから「新規ウィンドウ」をクリックしてください.
2つ開いているいずれかのウィンドウで,
emacs
と入力して [return] キーを押します.
ターミナルの中で Emacs が起動します. GUI が使用できない点を除けば, 授業で使用している環境での Emacs と同じように使用できます. この Emacs でソースプログラムを書き, ターミナルのもうひとつのウィンドウでコンパイルと実行を行ってください.
3.5 Emacs の終了
Emacs を終了させる操作は,C-x C-c です. コントロールキー [Ctrl] を押しながら,[X] キーを同時に押してください. 続いて,コントロールキー [Ctrl] を押しながら,[C] キーを同時に押して, 両方のキーから指を離してください.
Emacs を終了させると,Emacs を動かしていたウィンドウは, 通常のターミナル画面に戻ります.