5. フリップフロップ

非同期式RSフリップフロップ

否定(NOT)2つでループを構成すると,2つの可能な状態が存在します(教科書 p.198 図8.13).ここにNANDやNORなどを用いることで,2つの状態を切り替えられるようにしたものが,非同期式RSフリップフロップです.NANDを用いたものでは,Off信号が入ることで状態が切り替わりますので,PushOffスイッチを用いることで,スイッチを押した際にOff信号が入るようにしています.スイッチが押されると,押された方のLEDが点灯します.別の言い方をすると,最後にスイッチが押された方を記憶するのがフリップフロップです.

非同期式RSフリップフロップ

同期式RSフリップフロップ

物理的な回路では状態の変更に一定の時間がかかります.そこで状態変更に要する時間や状態を保持する時間を保証するのが,クロック信号です.たとえば,クロック信号がOnの間だけ状態変更を許し,Offの間は状態を保持することが考えられます.同期式RSフリップフロップはクロック信号がOnの間だけ,入力信号に応じて状態が変わるようにしたものです.ここではクロック信号をToggleスイッチで実現します.なお,この同期式RSフリップフロップではOn信号で状態が切り替わるため,入力信号にはPushOnスイッチを用いています.ToggleスイッチがOnの間のみ,PushOnスイッチが押された方のLEDが点灯します.

同期式RSフリップフロップ1 同期式RSフリップフロップ2

JKフリップフロップ

ループによる発信を避けるためにクロックの1周期(OnとOff)で状態を切り替えるマスタースレーブ方式をとり,禁止入力をなくして教科書p.210の特性表を実現するのがJKフリップフロップです.JKフリップフロップを構成してみましょう.Simcirには同期式RSフリップフロップモジュールやマスタスレーブ型RSフリップフロップモジュールはないので,NOT,AND,NANDゲートなどを使う必要があります.

またJKフリップフロップでは1クロック(OnとOff)が経過した際に,JとKの入力パターンで状態が変化しますので,J,KにはToggleスイッチ,クロックにはPushOnスイッチを用いると良いでしょう.J,Kの入力パターンを変えて,Toggleスイッチをクリックしてみましょう.

JKフリップフロップ1 JKフリップフロップ2