シラバスには誤って186c7: ἔστι γὰρ ἰατρική, ...から読むとありますが,これは誤りで,実際には186d10: τούτοις ἐπιστηθεὶς ἔρωτα ...から読みます.
中級講読でよく用いられる参考文献についてはhttps://museion.sakura.ne.jp/wiki/?eLearning/Intermediate/Greekを参照すること.
以下の記録の正確性は保証しない.
大学院人文社会系研究科・文学部の通常の授業日程に従う.
古典期アッティカ方言で作られた易しめの散文を精読し,古代ギリシア語への理解を深める.
今セメスターは昨年度の続き,すなわちプラトーン『饗宴』(Plato, Symposium)の186c7: ἔστι γὰρ ἰατρική, ...(誤りで実際には186d10: τούτοις ἐπιστηθεὶς ἔρωτα ...)から講読する.
易しめの散文を講読するので,古典ギリシア語の初級文法を(ほぼ)終えていれば無理なく受講できる.この授業では,特に形態論,統語論,語彙,語法に注意し,ギリシア語を精確に理解するのを目標とする.講読の量は多くはないが,学修の段階に応じ,能動的に予習をしてくることが要求される.
古典ギリシア語の初級文法を終えたばかりの場合,まずは初級文法書で学んだ形態論や統語論を定着させるために,単語一つひとつの形や語法等を初級文法書や中級者向け辞典を用いてしっかり調べておき,授業中に説明できるようにしておくことが要求される.また中級文法書(Smyth, Grammarなど)や大辞典(LSJ)などの使い方を説明するので,授業中に示されたそれらの参照箇所を,読んで理解できるように努めてほしい.
中級講読をある程度行い文法事項が身に付いている学生・院生は,中級文法書を使いこなせるようになることが要求される.初級文法書や中級者向け辞典では説明が省略されているような事項についても,各自で調べて説明できるようにしてほしい.
十分な講読の経験がある場合,以上に加えて中級文法書等では不十分な箇所等についても,上級文法書や各種専門書,論文等を用いて調べてくることが要求される.
輪読形式である.本文を1文くらいずつに短く区切り,学生・院生に当てて音読,和訳,調べてきたことの発表を行ってもらう.その後,正しく理解できているかどうか確認するため,教員がいくつか質問するので答えてもらう.最後に,必要があれば問題となる箇所について全員で議論する.
読む分量は毎回10–20行程度と多くはないので,学生・院生に事前に訳読箇所を割り振ることはしない予定であるが,受講者の状況により必要があればそのようにする.
授業中の訳読や発言(80点)と学期末のレポート(20点).
レポートは,ふだん授業で行っていることを,文章できちんと記述できるかどうかを試すものである.授業で扱った箇所の一部を指定するので,和訳と,文献を使って調べたことを書いて提出する.
教科書は使用しない.
Smyth, Grammar²の第1版はオープンアクセスになっているので,書籍を購入しなくても利用することができる(第2版との違いはわずかである).
http://lecture.ecc.u-tokyo.ac.jp/~cmatuura/
内線XXXXX https://www.l.u-tokyo.ac.jp/glc/も参照のこと.
対面型(対面のみで実施)
Last modified: 2025/04/10
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