[2022A教養学部後期課程]古代ギリシア演劇入門

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目次

連絡事項

授業概要

以下の記録の正確性は保証しない.

開講
令和4年度(2022年度)Sセメスター
科目名(後期課程)
特殊講義V[イタリア地中海研究コース]
科目名(英語)
Lectures on Special Topics V [Italian/Mediterranean Studies]
講義題目
古代ギリシア演劇入門
講義題目(英語)
Introduction to Greek Drama
開講日時
金曜4時限(14:55/15:10–16:40)
時間割コード
08C2517
単位数
2.0
教室
駒場キャンパス(第1回のみオンライン授業)
履修人数
9名
学期末試験受験人数
7名

授業日程

教養学部の通常の授業日程に従う.

学期末試験&レポート

学期末試験

選択状況は次の通りでした.偏りが大きくなってしまうことに毎回悩みますが,書きやすいものが選ばれがちなので仕方ないのかもしれません.

A問題

2つ選択する形式(延べ人数).

(1)
2名
(2)
1名
(3)
6名
(4)
5名
(5)
0名

B問題

1つ選択する形式.

(6)
0名
(7)
0名
(8)
1名
(9)
6名
(10)
0名
(11)
0名
(12)
0名

レポートで扱われた作品

次の通りでした.当初の懸念とは異なり,うまく分散しました.

  1. アイスキュロス『テーバイ攻めの七将』
  2. アイスキュロス『縛られたプロメテウス』
  3. ソポクレース『アンティゴネー』
  4. エウリーピデース『バッコスの信女たち』
  5. アリストパネース『アカルナイの人々』
  6. アリストパネース『蛙』
  7. アリストパネース『議会の女たち』

みなさんが非常によく調べてていねいに記述してくれていました.以下は,このような観点で記述すればもっとよくなったのではないか,あるいは疑問点が挙げられていた箇所についての簡単なコメントです.

  1. アイスキュロス『テーバイ攻めの七将』:アモイバイオン(amoibaĩon,私は「歌掛け」と訳すことにしています)がepirrhēmatikónと説明されている場合があります.この場合のepirrhēmatikónは,役者は歌を歌うが,それに続く合唱隊(長)は歌ではなくせりふを述べる場合のことを言い,私は「半歌唱」と訳すことにしています.喜劇の構成を説明する際によく用いられる用語ですが,悲劇でも,「役者が歌う一方合唱隊(長)はせりふ」という場合は少なくなく,それらの箇所を説明するときに用いられることがあります.いずれにせよ,アイスキュロスの時代にがそのような言葉が実際に使われていた可能性は低いため,どの説明の仕方が誤りというわけでもありません.
  2. ソポクレース『アンティゴネー』:第376–383, 626–630行(など)は挿話(epeisodion)部分の韻律(イアンボスまたはトリメトロスと呼ばれる)とは異なり,アナパイストスという韻律で作られています.これが挿話の方に入るのか,歌唱部(stasimon)の方に入るのかについては特に定義されていないので,どちらでも結構です.
  3. アリストパネース『議会の女たち』:(古)喜劇では奇想天外な設定が採用されることがあり,この喜劇の大枠である,アテーナイの女性市民が民会を開くというのもその一つです.ただしそのような設定のほとんどは,実際には実現され得ないことが前提とされています.したがってアテーナイの男性市民は,ある意味「安心して」観劇できるわけです.このことをまず念頭においてさまざまな喜劇上の仕掛けを説明していくようにすると,全体の説明がすっきりすると思います.

第13回(2023/01/20)

授業内容

  1. 学期末試験(約60分).

配布物

  1. 「レポートに関する参考文献」.

第12回(2023/01/06)

授業内容

  1. 「小テスト(12)」.
  2. メナンドロス『気難し屋(人間嫌い)』.

配布物

  1. 「レポート:劇の分析」.

参考文献

電子ジャーナルで閲覧できます.MyOPACでログインした後,OPACで「電子ジャーナル」にチェックを入れて‘Classical Quarterly’を入力して検索してみてください.

  1. John G. Griffith, ‘The Distribution of Parts in Menander’s Dyskolos’, Classical Quarterly, n.s. 10 (1960), 113–117.

第11回(2022/12/23)

授業内容

  1. 「小テスト(11)」.
  2. アリストパネース『蜂』.

次回内容

次回はメナンドロス『気難し屋』を読みます.ハイフレックス授業の予定です.

第10回(2022/12/16)

授業内容

  1. 「小テスト(10)」.
  2. エウリーピデース『メーデイア』.

次回内容

次回はアリストパネース『蜂』を読みます.

第9回(2022/12/09)

授業内容

  1. 「小テスト(9)」.
  2. ソポクレース『オイディプース王』.

配布物

  1. 「ソポクレース『オイディプース王』」(解説).

次回内容

次回はエウリーピデース『メーデイア』を読みます.

第8回(2022/12/02)

授業内容

  1. 「小テスト(8)」.
  2. アイスキュロス『ペルシア人たち』.

配布物

  1. 「小テスト(8)」.

次回内容

次回はソポクレース『オイディプース王』を読みます.

第7回(2022/11/25)

授業内容

  1. 「小テスト(7)」.
  2. 「喜劇の題材と形式」第2節(pp. 5–8).

配布物

  1. 「小テスト(7)」.

第6回(2022/11/11)

授業内容

  1. 「小テスト(6)」.
  2. 「喜劇の題材と形式」第1節(pp. 1–5).

課題

「喜劇の題材と形式」p. 8に書かれている課題を次回までにやってくること.

配布物

  1. 「小テスト(6)」.
  2. 「喜劇の題材と形式」.

第5回(2022/11/04)

授業内容

  1. 「小テスト(5)」.
  2. 「悲劇の題材と形式」第5節.

配布物

  1. 「小テスト(5)」.

第4回(2022/10/28)

授業内容

  1. 「小テスト(4)」.
  2. 「悲劇の題材と形式」第2–5節(p. 4, l. 3まで).

配布物

  1. 「小テスト(4)」.

第3回(2022/10/21)

授業内容

  1. 「小テスト(3)」.
  2. 「古代ギリシアの劇場と上演」第3節(pp. 6–8).
  3. 「悲劇の題材と形式」第1–2節のはじめ5行(p. 1 – p. 2, l. 2).

小テスト(4)は今日の授業でやった箇所のみが範囲です(今後も同様).次回の授業は「悲劇の題材と形式」第2節の途中からやります.

配布物

  1. 「小テスト(3)」.
  2. 「悲劇の題材と形式」.

参考文献

古代ギリシア人のライフサイクルに関してはこれを見るとよいでしょう.成人の年齢についてはpp. 174–187にあります(アテーナイで区民として登録されるのが18歳,軍事訓練は18–19歳など).

第2回(2022/10/14)

授業内容

  1. 「小テスト(2)」.
  2. 「古代ギリシアの劇場と上演」第1–2節(pp. 1–6).

小テスト(3)は今日の授業でやった箇所のみが範囲です.次回の授業は第3節からやります.

配布物

  1. 「小テスト(2)」.
  2. 「古代ギリシアの劇場と上演」.

第1回(2022/10/07)

授業内容

  1. 「オンライン授業について」.
  2. 「古代ギリシア演劇略史」.

配布物

  1. 「オンライン授業について」.
  2. 「古代ギリシア演劇略史」.

正誤表

「古代ギリシア演劇略史」の以下の箇所を訂正してください.

箇所
p. 7, l. 8三大悲劇喜劇

シラバス内容

講義題目

古代ギリシア演劇入門

授業の目標・概要

古代ギリシアの演劇について概説し,その後で劇の抜粋のいくつかを日本語で読む.ギリシア語の知識は必要ない.

特に読まれることの多い紀元前5世紀の悲劇(アイスキュロス・ソポクレース・エウリーピデース)と,紀元前5–3世紀の喜劇(アリストパネース・メナンドロス)を中心に扱う.悲劇では神話や伝説を扱ったものが多く,喜劇では同時代のできごとが主に扱われるので,それらについても学ぶことができる.

授業のキーワード

日本語
ギリシア,ギリシャ,演劇,悲劇,喜劇,アイスキュロス,ソポクレース,ソフォクレス,エウリーピデース,エウリピデス,アリストパネース,アリストファネス,メナンドロス
英語
Greek, Greece, Drama, Tragedy, Comedy, Aeschylus, Sophocles, Euripides, Aristophanes, Menander

授業計画

次のような内容を予定しているが,若干変更する可能性がある.

  1. 作家・作品と歴史
  2. 劇場と上演
  3. 悲劇の作品と題材(神話と歴史)
  4. 悲劇の形式
  5. 喜劇の形式
  6. 悲劇の例1(アイスキュロス)
  7. 悲劇の例2(ソポクレース)
  8. 悲劇の例3(エウリーピデース)
  9. 喜劇の例1(アリストパネース)
  10. 喜劇の例2(メナンドロス)
  11. 予備
  12. 予備
  13. 学期末試験(45分程度)とレポートの説明

授業の方法

A. 対面/オンライン授業

  1. 対面授業を予定している.新型コロナウイルス感染症の感染状況によってはオンライン授業となることもあるが,その場合は教養学部の基本方針にしたがって対面/オンライン授業の切り替えを行う.
  2. 90分授業とし,105分授業との差分の15分は(教室あるいは各自での)小テストの実施に充てる.

B. 授業の流れ

  1. 小テスト(第2–12回)
  2. 教材の配布(ITC-LMSにも用意する予定)
  3. 教材を用いて講義実施

教材は,極力事前にITC-LMSにも用意する.

小テストは90分授業の開始時刻までに各自実施する(移動等がある場合は当日中).105分授業の開始時刻には教室内で配れるようにしておく.

成績評価方法

1, 概要

最終回に45分程度で行う学期末試験(35点),学期末のレポート(35点)と第2–12回に行う小テスト(30点)で行う.

やむを得ず履修登録前の授業に出られず,その回の小テストを受験できなかった場合は連絡すること.受験できなかった小テストの扱いについて指示する.

2, 小テスト

小テストは穴埋め式で,前回の講義に関する基本的な用語が理解できているかを試す問題を出題する.終了後には解答例を配布する.

3, 学期末試験

学期末試験(筆記試験)は論述式で,第1–12回の講義の内容を自分の言葉で正しく説明できるようになっているかどうかを試すものである.

4, レポート

最終回に,受講者の希望も考慮しつつ,受講者それぞれに劇を割り当てるので,講義で学んだ内容と,紹介した参考文献等を用いて,どのような構成や内容になっているかを調べて提出してもらう.

教科書

プリントを使用する.

参考書

参考書は特に指定しない.授業中に適宜紹介する.また毎回配布するプリントには必ず参考文献表を付けるので,それを参考に探してほしい.

履修上の注意

古代ギリシア語の知識は全く必要なく,前提とする知識も特にないから,時代・地域・分野・文系/理系の別を問わず履修生を歓迎する.原典を使用する際も可能な限り和訳を使用する.英語以外の外国語の知識も必要ない.

「関連ホームページ」には過年度の授業実施状況が簡単に記されているので,雰囲気を事前に調べるためには類似授業のページを一度見てみるとよい.

関連ホームページ

http://lecture.ecc.u-tokyo.ac.jp/~cmatuura/

研究室電話番号

授業の前に相談を受け付ける.事前にメールで連絡してほしい.

授業実施形態

対面型

リンク


Last modified: 2023/01/30

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