[2017A教養学部後期課程]ギリシア語歴史言語学入門
[松浦高志の授業用ページ]
目次
授業概要
以下の記録の正確性は保証しない.
- 開講
- 平成29年度(2017年度)Aセメスター
- 科目名(後期課程)
- 特殊講義II(イタリア地中海研究コース)
- 科目名(英語)
- Lectures on Special Topics II (Italian / Mediterranean Studies)
- 講義題目
- ギリシア語歴史言語学入門
- 開講日時
- 火曜4時限(14:55–16:40)
- 時間割コード
- 08C2514
- 教室
- 8号館8-322教室
- 履修人数
- 4名
授業日程
教養学部の授業日程に従う.教養学部の授業日程に変更があった場合はそれに合わせる.以下と教養学部の授業日程の間に齟齬があった場合は教養学部の授業日程の方に従う.
- 2017/09/26
- 2017/10/03
- 2017/10/10
- 2017/10/17
- 2017/10/24
- 2017/10/31
- 2017/11/07
- 2017/11/21
- 2017/11/28
- 2017/12/05
- 2017/12/12
- 2017/12/19
- 2018/01/09
11月14日(火)は金曜日授業.
第13回(2018/01/09)
授業内容
- サッポー断片(Lobel–Page編)第1番第5–28行.
- ホメーロス『イーリアス』第1巻第1–7行.
懇親会
5時限終了後に懇親会を開催しました.この授業の受講者の参加は4名でした.
第12回(2017/12/19)
授業内容
- Inscriptiones Creticae, IV 72, ll. 3–14.
- サッポー断片(Lobel–Page編)第1番第1–4行.
次回予定
- サッポー断片(Lobel–Page編)第1番第5–28行.
- ホメーロス『イーリアス』第1巻第1–7行.
配布物
- P. A. Draper (ed.), Homer: Iliad, Book 1 (Ann Arbor, 2002), pp. 26–35.
- A. T. Murray (tr.), Homer: The Iliad, i (London, 1924), pp. 2–5.
- 松平千秋(訳)『ホメロス イリアス(上)』(岩波文庫,1992),p. 11.
第11回(2017/12/12)
授業内容
- No. 30 Colvin (IG I³ 40), ll. 1–15.
- Inscriptiones Creticae, IV 72, ll. 1–3.
次回予定
- Inscriptiones Creticae, IV 72, ll. 3–15.
- サッポー断片(Lobel–Page編)第1番.
第10回(2017/12/05)
授業内容
- No. 34 Colvin (SEG 46.400), vv. 2b–3.
- No. 39 Colvin (CEG 357).
- No. 40 Colvin (CEG 132).
- No. 48 Colvin (CEG 459).
- No. 8 Colvin (ICS 217), ll. 1–4.
配布物
- サッポー第1番LP.
- 沓掛良彦『サッフォー--詩と生涯--』(平凡社,1988),10–12.
次回予定
- No. 30 Colvin (IG I³ 40), ll. 1–15.
- Inscriptiones Creticae, IV 72.
第9回(2017/11/28)
授業内容
- No. 23 Colvin (CEG 403), vv. 1–2.
- No. 11 Colvin (CEG 326).
- No. 36 Colvin (CEG 363).
- No. 34 Colvin (SEG 46.400), vv. 1–2a.
配布物
- Willetts (ed.), Gortyn, pp. i, 39, 53–55.
第8回(2017/11/21)
授業内容
- No. 25 Colvin (CEG 454).
- No. 26 Colvin.
- No. 23 Colvin (CEG 403), v. 1.
第7回(2017/11/07)
授業内容
- 「形態論」pp. 11–12.
- 「文字論」.
- No. 28 Colvin (CEG 432).
配布物
- 「CEG 432, 454」.
連絡
来週(11月14日)は金曜日授業のため,この授業はありません.
第6回(2017/10/31)
授業内容
- 「文字論」(補遺).
- 「形態論」pp. 7–11.
配布物
ITC-LMSでは「文字論」以外は配布しないので授業中に入手すること.
- 「文字論」.
- 「アッティカ式表記体系」(2014年4月16日付).
- 「ゴルテュン方言」(2015年1月28日付).
- Colvin, Reader, 31–53.
- Colvin, Readerより講読箇所のテキスト・英訳・注釈.
第5回(2017/10/24)
授業内容
- 「形態論」pp. 5–7.
第4回(2017/10/17)
授業内容
- 「音韻論」(訂正・補足).
- 「音韻論(2)」(「Stangの法則」と問4, 6).
- 「形態論」第4.1節〜第4.5節(第3曲用まで).
配布物
- 「形態論」.
第3回(2017/10/10)
授業内容
- 「音韻論」pp. 8–10.
- 「音韻論(2)」第3.5–3.6節(「Stangの法則」と問4, 6は後日).
第2回(2017/10/03)
授業内容
- 「音韻論(2)」第3.4節(「Stangの法則」と問4, 6は後日).
- 「音韻論」pp. 5–8.
配布物
- 「音韻論(2)」.
第1回(2017/09/26)
授業内容
- 「音韻論」第1–3.1節.
配布物
- 「音韻論」.
- 地図その1,その2.
シラバス内容
講義題目
ギリシア語歴史言語学入門(Introduction to Greek Historical Linguistics)
授業の目標・概要
古代ギリシア語の歴史的変遷と方言について講義を行い,その後でいくつかのテキストを演習形式で読む.古典ギリシア語初級を終えていることが望ましいが,そうでなくても構わない(この項目の最後を参照のこと).
古典ギリシア語初級を学べば,すぐに古代ギリシア語で書かれたさまざまな文献を読むことができるように思われるかもしれない.しかし実際にはそうではない.たしかにプラトーンやトゥーキューディデース,悲劇詩人らの作品は古典ギリシア語の知識があればすぐに読み始めることができる.しかしたとえばホメーロスの叙事詩,サッポーやピンダロスの抒情詩,方言碑文をすぐに読み始めるのは難しい.これは時代,方言,表記体系が違うためである.この授業の目標は古代ギリシア語の歴史的変遷と方言について理解し,さまざまな古代ギリシア語の文献を読めるようにすることである.
この授業には主に3つの役割がある.すなわち
- ギリシア語中級文法として
- ギリシア語方言入門として
- 印欧語比較言語学入門として
の役割である.古代ギリシア語の歴史的変遷と方言について学ぶと,初級文法では分かりづらかった音韻的特徴,形態的特徴を理解することができるようになる.また,ラテン語やサンスクリット語をはじめとしたほかの印欧語と比較するのも容易になる.
この授業を受けるためには古典ギリシア語初級を終えていれば十分である.また,学習中でも構わない.音韻論と形態論の概要をはじめの数回で学ぶので,これだけで習得する気があれば未習の状態でも構わない.
授業のキーワード
ギリシア語,ギリシャ語,ラテン語,サンスクリット語,印欧語,ホメーロス,ホメロス,碑文,方言.
授業計画
次の順番で授業を行う予定である.
- 音韻論
- 形態論
- 文字論
- 方言概説
- 演習
演習で扱うテキストについて,詳しくは授業中に指示するが,以下のテキストを予定している(変更する可能性もある).順番は題材に応じて変更する.
- 文学方言
- イオーニア方言(ホメーロスなど)
- アイオリス方言(サッポー・アルカイオス)
- ドーリス方言
- その他
- 非文学方言:検討中だがアッティカ方言,キュプロス方言,アルカディア方言,ゴルテュン方言,キューレーネー方言などを予定している.
授業の方法
はじめの数回は講義である.「授業計画」に書かれているとおり,音韻論・形態論・文字論とそれぞれの方言について解説する.予習は必要ないが,復習を行ってほしい.小テストなどを行う予定はないが,学生の理解が不足していると感じられた場合は実施する可能性もある.
そのあとは演習である.テキストのコピーを事前に配布する.予習が必須である.授業中,学生が順番に訳読し,文法上問題となる箇所について議論する.
成績評価方法
訳読状況と授業への参加状況(発表・発言など).
教科書
プリントを使用する.
参考書
- C. D. Buck, The Greek Dialects² (Chicago, 1955).
履修上の注意
古代ギリシア語の歴史的変遷と方言について学ぶと,初級文法で丸暗記した(あるいは「せざるを得なかった」)変化表の裏に隠れていた規則性がよくわかるようになり,それぞれの変化表の間の関係も容易に理解できるようになる.初級文法を終えたばかりの学生は,まずこれらを理解することを目標としてほしい.中級講読や演習でいくつかの古代ギリシア語の文献を読んだことがある学生は,辞典や注釈書などで「これは……方言の形」と説明されている単語を,歴史的変遷を考えつつ,自分の言葉で説明できることを目標としてほしい.ほかの印欧語を学んでいる学生はギリシア語との比較を試みてほしい.
関連ホームページ
http://lecture.ecc.u-tokyo.ac.jp/~cmatuura/
Last modified: 2018/10/24
cmatuura_atmark_mail.ecc.u-tokyo.ac.jp
© 2017–2018 MATSUURA Takashi