[2016A教養学部後期課程]本文批判入門
[松浦高志の授業用ページ]
目次
授業概要
以下の記録の正確性は保証しない.
- 開講
- 平成28年度(2016年度)Aセメスター
- 科目名(後期課程)
- 特殊講義IV(イタリア地中海研究コース)
- 科目名(英語)
- Lectures on Special Topics IV (Italian / Mediterranean Studies)
- 講義題目
- 本文批判入門
- 開講日時
- 金曜4時限(14:55–16:40)
- 時間割コード
- 08C2516
- 教室
- 8号館8-209教室
- 履修人数
- 2名
授業日程
教養学部の授業日程に従う.教養学部の授業日程に変更があった場合はそれに合わせる.以下と教養学部の授業日程の間に齟齬があった場合は教養学部の授業日程の方に従う.
- 2016/09/30
- 2016/10/07
- 2016/10/14
- 2016/10/21
- 2016/10/28
- 2016/11/04
- 2016/11/11
- 2016/12/02:11月18, 25日は通常授業は行われない日.
- 2016/12/09
- 2016/12/16
- 2016/12/23:祝日だが授業を行う日.
- 2017/01/06
- 2016/01/12:木曜日だが金曜日授業.
第13回(2017/01/12)
授業内容
- 課題発表(2人目).
懇親会
5時限終了後に懇親会を開催した.この授業の受講者の参加は3名であった.
第12回(2017/01/06)
授業内容
- 「Lachmannの方法(4)」.
- 課題発表(1人目).
配布物
- 「Lachmannの方法(4)」.
第11回(2016/12/23)
授業内容
- 「Lachmannの方法」問題と解答.
第10回(2016/12/16)
授業内容
- 「Lachmannの方法(3)」.
- 「Lachmannの方法」問題.
配布物
- 「Lachmannの方法(3)」.
第9回(2016/12/09)
授業内容
- 「Lachmannの方法(2)」.
配布物
- 「Lachmannの方法(2)」.
第8回(2016/12/02)
授業内容
- 「本文批判(6)」(pp. 10–11).
- 「Lachmannの方法」.
配布物
- 「Lachmannの方法」.
- Carolus Lachmannus (ed.), T. Lucreti Cari De rerum natura libri sex (Berolini, 1850), 1, 3, 37–38, 124–126, 249.
「Lachmannの方法」p. 2のQ-(2)の「foll. 38v–39r」を「foll. 33v–34r」に訂正すること.ITC-LMSにアップロードされている教材では訂正されている.
連絡事項
- 写本OQを閲覧する時間があまりなかったので,問題を解くのに特に影響はないが,次回閲覧する時間をもうける.疑問に思った点を書き留めておくとよい.
- 写本Gは以下のWebページで閲覧できることがわかったので,やはり問題を解くのに特に影響はないが,もし必要ならば閲覧することができる.次回の授業の際にファイルを持参するのでプロジェクタで写すことも可能である.http://www.kb.dk/permalink/2006/manus/241/eng/
- 質問のあった初期印刷本についても次回簡単に解説する.入手できた初期印刷本についてもファイルを持参するのでプロジェクタで写すことも可能である.
- 次回,問題の解説をすべて行う時間はないと思われるので,2回または3回を使って解説することになる.できるところまででよいので,問題を解いてくること.
第7回(2016/11/11)
授業内容
- 「本文批判(6)」(pp. 2–10).
配布物
著作権法上の制約のため,Mynors, Snell, BarrettはITC-LMSにはアップロードしない.
- R. A. B. Mynors (ed.), C. Valerii Catulli carmina (Oxonii, 1958), iii, xvi, 1, 96.
- B. Snell (ed.), Bacchylides. Carmina cum fragmentis (Lipsiae, 1958), iii, conspectus siglorum, 22, 63.
- W. S. Barrett (ed.), Euripides: Hippolytos (Oxford, 1964), iii, 61–63, 91–93, 97.
- 「発表課題例」.
発表課題
発表を行う学生は「発表課題例」の第1節:発表の概要を読み,発表課題を選ぶか,自分で設定すること.第3節:アリストパネースのB写本はすでに担当する学生が決まっているので,それ以外から選ぶこと.
第6回(2016/11/04)
授業内容
- 「本文批判(5)」(§3.6–3.9).
- 「本文批判(6)」(§4.1–4.3).
配布物
- 「本文批判(6)」.
以下の箇所を訂正してください.
| 箇所 | 誤 | 正 |
| p. 8, l. 18 | cett(etri) | cett. = ceteri: |
第5回(2016/10/28)
授業内容
- 「本文批判(5)」(§3.1–3.5).
配布物
- 「本文批判(5)」.
第4回(2016/10/21)
授業内容
- 「本文批判(2)」(§2.15–19).
- 「本文批判(3)」(§2.20–21).
- 「本文批判(4)」(§2.22).
配布物
- 「本文批判(3)」(第3回に配布する予定だったもの).
- 「本文批判(4)」.
第3回(2016/10/14)
授業内容
- 「本文批判(2)」(§2.12–14まで).
第2回(2016/10/07)
授業内容
- 「本文批判(1)」(p. 5の下から5行目から).
- 「本文批判(2)」(§2.12まで).
配布物
- 「本文批判(2)」.
課題
- 問5–6.
第1回(2016/09/30)
授業内容
- 「本文批判(1)」(p. 5の下から5行目まで).
配布物
- 「本文批判(1)」.
課題
- 問2.
シラバス内容
講義題目
本文批判入門
授業の目標・概要
本講義では本文批判について扱う.ギリシア語やラテン語の知識は必要ではない.英語以外の外国語の知識も必要ない.
本文批判(独Textkritik,英textual criticism)とは,本文の正しさに関する学問である.文学であれ,哲学であれ,歴史学であれ,何であれ文献を根拠に研究を行う学問では,扱う文献の本文が正しいかどうかをまず吟味しなければならない.また,研究を行った後には結局,その本文が正しかったのかどうかという地点に立ち戻ることになる.すなわち文献学は本文批判を出発点とし,本文批判を終着点とする.
この授業では文献学の基本である本文批判の理論と実際を学び,各自の研究に生かすことを目標とする.扱うのは主にギリシア語やラテン語の文献であるが,ギリシア語やラテン語の知識は必要ではない.内容ではなく形式や理論に着目して扱うためである.
また,これらに加えてもっと実用的なことも学ぶ.校訂本は文献学に携わる者が必ず手にすることになるものである.これは本文批判の結果が記述されたものであるが,専門的かつ極度に簡潔に書かれているので,はじめは容易には利用できない.本文批判資料(羅apparatus criticus,本文の異同を説明する部分)をはじめ,校訂本がどのように記述されているかを学ぶ.
授業のキーワード
本文批判、本文批評、Textkritik、textual criticism、apparatus criticus、文献、校合、典拠探索、Quellenforschung、西洋古典学、ギリシア語、ギリシャ語、ラテン語、Karl Lachmann、系統学、離散数学
授業計画
まず定義や目的を学び,本文批判の理論を学ぶ.すなわち校合や吟味といったものである.その後で具体的なことがらを学ぶ.すなわち校訂が実際にどのように行われるかということである.また19世紀にKarl Lachmannがある作品の写本群の原型をきわめて明瞭な方法で発見した.有名なこのLachmannの方法についても学ぶ.さらに本文批判に関連することがらとして典拠探索についても学ぶ予定である.
授業の方法
はじめは講義を行う.おそらく全13回の半分から2/3くらいまでかかるものと思われる.その後は,授業に参加している学生の専門分野あるいは興味のある分野に応じ,発表を行ってもらうことを計画している.発表はあまり専門的にならない方が望ましい.内容は専門分野によって相当開きがあると考えられる.たとえば文献学の場合,作者の自筆本が残っていないような分野であれば,ある作品について,どのような写本その他が残っているか,それらがどのように校訂されているか,またその校訂本がどのように記述されているか,といった基本的なことがらを説明することから始めるとよいと思われる.自筆本が残っているような分野であれば,たとえば典拠探索について扱うということが考えられる.扱う文献の言語や分野にはもちろん制限はない.また,文字資料でなくても構わない.たとえば楽譜でも同じようなことが考えられる.あるいは分類学や系統学とも関連があるから,それに関するものでもよい.
成績評価方法
レポートと授業への参加状況(発表・発言など).
教科書
プリントを使用する.
参考書
参考書は使用しない.
履修上の注意
ギリシア語やラテン語の知識は前提としないし,前提とする知識も特にないから,地域や時代,学問領域を問わず,幅広い分野の学生の受講を歓迎する.ただし特定の言語の文献を想定せずに本文批判を扱うのは非常に難しいので,講義では西洋古典学の文献,すなわちキリスト教文献を除く,古代ギリシア語や古代ラテン語で書かれた文献を主に扱う.学生が発表やレポートで扱う文献の言語はもちろんこれらに限定されないし,むしろそれぞれの専門を生かせる言語の文献を扱うことが期待される.
Last modified: 2018/10/24
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© 2016–2018 MATSUURA Takashi