5/21 描画システム(1)

前回の補足，復習

前々回の課題について

前回の課題について

• 5/21 11:00までに 106名が提出済み
• 「~/jousho03/のディレクトリ」は最初からは作られているではない． ディレクトリに関する操作を読んで，あらかじめディレクトリを作成しておくこと．

今日の目標

• はいぱーワークブックの 「24描画システム」を自習する．
• 前回の課題の締切りが今日の21時なので，提出する．
• 前回の課題を終えた人は，今日の課題 (13:30以降有効，締切りは6/3 21:00)に取り組む．

はいぱーワークブックの補足

• はいぱーワークブックでは，描画ソフトとして，idraw, gimpを扱って いるが，idrawは進歩が止まっているので，代わりにtgif を使っても良い． また，NC環境のidrawははいぱーワークブックの説明とは別のバージョンが入っ ているので，説明が食い違っているところがある．現在，はいぱーワークブッ クもtgifを使った説明を加えているところだが，間に合っていない．
• 現在，NC環境のidraw, tgif では日本語のテキスト入力ができなくなっ ている．
• idrawで，大きさが0の多角形，閉曲線，曲線，折れ 線を作成して(左ボタンをクリックした後，他の点を指定せずに中ボタンをク リックする)Saveすると，作られるポストスクリプトファイルは
  • idrawで読み込もうとすると 「Segmentation fault」で落ちる(ウィンドウマネージャから起動した場合はメッセージも出さずに落ちる)．
  • gv, ghostviewで表示させようとするとエラーが出る
  • convert コマンドで他の形式に変換することもできない
  という問題が生ずる．これは idrawのバグによるもの．このような ポ ストスクリプトファイルから，まともなポストスクリプトファイルに変換する ためのコマンド，rmzero.pl が用意されている．

  /home/ktanaka/bin/rmzero.pl 元のポストスクリプトファイル > 新しいポストスクリプトファイル
  

  を実行すると，新しいポストスクリプトファイルが作られるが，これはちゃ んと使えるはず．
• 画像の表現 で，ラスタ表現，ベクタ表現の説明があるが，それぞれ よく使われる形式をいくつか紹介する．
  • ラスタ表現
    • jpeg 形式
      自然画の表現に適していて，国際規格になっているため広く使われ，大部 分のWWWブラウザで表示できる．離散コサイン変換を用いてデータの圧縮を する．不可逆圧縮(画像の質を落とす圧縮)が一般的．
    • gif形式
      同じ色が続くような，人工的な画像の表現に適している．大部 分のWWWブラウザで表示できる．
    • png形式
      gif形式と同じような画像に適している．gif形式の中で用いている圧縮 形式が特許の関係で自由に使えないため，こちらの形式を用いるWWWサイ トも多くなっている．
    • bmp形式
      Windowsの世界で代表的な画像表現方式．ファイルの容量が大きくなるので， 保存には向かない．
    • pnm形式
      portable anymapと呼んでいるように，非常に扱いやすい形式なので， 画像変換の途中や，プログラムによる画像ファイル生成などで使われる．白黒 2値画像を表現する pbm(portable bitmap)形式，白黒濃淡画像を表現するpgm (portable graymap)形式，カラー画像を表現する ppm(portable pixmap)形式 などが含まれる．
  • ベクタ表現
    • Postscript形式
      Adobe社がプリンタのページ記述言語として作成した形式．仕様をオープン にしたこともあって，Unix世界での標準となった．センターのプリンタは すべて Postscriptプリンタ．idraw が出力するファイルは Postscript の subset(idrawが出力するファイルは Postscriptプリンタで印刷できるが， Postscript形式のファイルで idraw で編集できるのは，idrawでセーブし ファイルだけ)．
• 画像ファイルの変換
  WWWで画像ファイルを公開する際，Postscript形式でも見られる人はいるが， 多くの人に見てもらうためには，jpegやgif などの形式に変換した方がいい． Postscript形式のファイルを gif形式に変換する方式として，2つの方法を示 す．
  • gimp
    gimp では，Postscript 形式のファイルを読み込んでラスタ表現に変換 する機能がある(一度変換するとベクタ表現には戻らない)．読み込んで から，gif形式で保存(save)すると，gif形式に変換できる．
  • convert
    ImageMagick というツール群の中に convert というコマンドがある．kterm のウィンドウで，

    convert test.eps test.gif
    

    のようにすると，変換できる．convert の詳しい使い方は，

    man convert
    

    とすると見ることができる．
  多くの画像処理ソフトが，ファイルに保存する際に，拡張子(「.gif」，「. jpg」) を見て，自動的に対応する形式の画像ファイルを作成することから， 過去のクラスではidrawでも「.gif」という拡張子をつけて保存した人がいた が，idrawではPostscript形式でしかファイルを保存できな．「.eps」という 拡張子で保存して，後で convertするしかない．
• アニメーションGIF
  画像形式の1つである GIF 形式には，複数の画像をパラパラマンガのように 順に表示させるという形式が用意されている．ここでは，convertコマンドを 使ってアニメーションGIF形式のファイルを作成することを試みる．

  まずは，同じサイズの静止画を用意する．ここでは idraw を使ってすこしず つReshapeで線を変化させて 1.eps, 2.eps, 3.eps, 4.eps, 5.eps というファ イルを作る．絵のサイズを固定するために，外枠をあらかじめ書いて置くと良 い．

  1.eps
  
  2.eps
  

  ここで，

  convert -delay 15 -loop 10 1.eps 2.eps 3.eps 4.eps 5.eps walk.gif
  

  を実行すると，walk.gif というファイルができる．これを WWW ブラウザで見 ると，0.15秒単位(WWWブラウザの表示速度がこれより遅い場合はもっと時間が かかる)で絵を切り替え，10回繰り返すので動いて見える(walk.gif)．繰り返しが終わったあとで，もう一度動かすには WWWブラウザの reload ボタンを押す．

  上の例はidrawで作成した eps ファイルを使ったが，gimpで複数のjpeg ファ イルを作成した場合も

  convert -delay 15 -loop 10 1.jpg 2.jpg 3.jpg 4.jpg 5.jpg walk.gif
  

  のようにして，同様にアニメーションGIFファイルを作成できる．
• ラスタ表現を目で見る
  ラスタ表現のファイルは一般的にバイナリファイルだが，ppm(portable pixmap)のnoraw 形式に変換するとMuleなどのテキストエディタで見ることが できる．たとえば，HWBのロゴをファイルにlogo3.gifという名前でセーブして，

  convert logo3.gif logo3raw.ppm
  pnmnoraw logo3raw.ppm > logo3.ppm
  

  として，logo3.ppm というファイルができる．これを見ると

  P3
  25 22
  255
  192 192 192  192 192 192  192 192 192  192 192 192  192 192 192  192 192 192
  192 192 192  192 192 192  192 192 192  192 192 192  192 192 192  192 192 192
  ...
  

  のように，1ピクセルのRGB値がテキスト形式で表されていることがわかる． このファイルを編集して(たとえば 192をすべて100に変更して)，

  convert logo3.ppm logo3new.gif
  

  のようにすると，gif形式にできる．

今日の課題