以下では,7セグメントLEDの基本的な考え方について説明するとともに,2ビットないし3入力の場合の真理値表や論理関数について考えてみる.
7セグメントLEDとは
7セグメントLEDは,通常,4ビットの入力 (0〜15) を受け取って,数字「0」〜「9」と,英字「A」〜「F」(ただし大文字と小文字が混ざる)を表示する.このとき,図中の a 〜 g 7本の LED の点灯/非点灯によって,16種類の文字を表示する.
注意:ただし,今回使用するセグメントLEDでは「A」〜「F」の表示が異なる。ページの最後を参照すること
7セグメントLEDの原理
7セグメントLEDも,組合せ回路によって構成できる.つまり,4ビットの入力パターンに応じて, a 〜 g の出力が文字を形作るように ON / OFF (1 / 0) を定められる.たとえば,数字「0」を表示する場合には, a 〜 f の LED が ON (1) となり, g の LED のみが OFF (0) となっている.また,数字「1」を表示する場合には, b と c の LED だけが ON (1) となり, a そして d 〜 g の LED は OFF (0) となっている.
2ビット入力の場合
ここで,2ビットの入力 (上位 x1,下位 x0) によって,文字「0」〜「3」を表示することを考える.特に, a と b の2つのLEDについて考えると, a は「0」「2」「3」の表示の際に ON (1) となり,「1」の表示のときのみ OFF (0) となる.また, b は「0」「1」「2」「3」のどのの表示においても ON (1) となる.したがって,次の真理値表にしたがって, a 〜 g の LED の ON / OFF を定めることになる.
x1 | x0 | 文字 | a | b | c | d | e | f | g |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 0 |
0 | 1 | 1 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 |
1 | 0 | 2 | 1 | 1 | - | - | - | - | - |
1 | 1 | 3 | 1 | 1 | - | - | - | - | - |
ただし,この表では「2」と「3」の場合は, c 〜 g の LED の ON / OFF を伏せてある.真理値表を完成させなさい.
また, a 〜 g の出力を与える論理関数を否定(NOT)と和(OR)のみを用いて示しなさい.ちなみに, a と b を定める論理関数は,次のようになる.
a = OR( NOT(x0),x1)
b = 1 = OR( x0,NOT(x0)) = OR( x1,NOT(x1))
(発展)論理回路シミュレータを用いた確認
論理回路シミュレータSimCirを用いて, 先程完成させた論理関数が正しいかどうかを確認せよ.
なおSimCirの使い方については「 論理回路シミュレータを使った組み合わせ回路練習 」を参考にしてください.LED a 〜 g に対応するLEDアイコンを a 〜 g の位置に配置して,2つのスイッチx0,x1からの入力に対して適切な出力がなされているかを確認せよ.例えば下図は入力が2(x0が0,x1が1)の時の出力である.
3ビット入力の場合
仮に,3ビットの入力 (上位 x2,中位 x1,下位 x0) によって,文字「0」〜「7」を表示するならば,次の真理値表にしたがって, a 〜 g の LED の ON / OFF を定めることになる.
x2 | x1 | x0 | 文字 | a | b | c | d | e | f | g |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 0 |
0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 |
0 | 1 | 0 | 2 | - | - | - | - | - | - | - |
0 | 1 | 1 | 3 | - | - | - | - | - | - | - |
1 | 0 | 0 | 4 | - | - | - | - | - | - | - |
1 | 0 | 1 | 5 | - | - | - | - | - | - | - |
1 | 1 | 0 | 6 | - | - | - | - | - | - | - |
1 | 1 | 1 | 7 | - | - | - | - | - | - | - |
ただし,この表では「2」〜「7」の場合は,LED の ON / OFF を伏せてある.この真理値表を完成しなさい.
ICトレーナーでのA〜Fの違い(参考)
ICトレーナーについている7セグメントLEDは0〜9は問題なく表示できるが,A〜Fについてはやや不思議なパターンを表示してしまう.参考までに以下に表示結果を示しておく.Aにあたるもの(左側)
Bにあたるもの
Cにあたるもの
Dにあたるもの
Eにあたるもの
Fにあたるもの(何も光らない)