画像
[教科書2.3]
画像の情報表現の使い分けは以下のようになっている。
- 対象: 画像、絵
- 目的: 表示、印刷、編集など
- 方法: ピクセルグラフィックス(写真のようなデータ。以下で説明する。)や
ベクターグラフィックス(図形のようなデータ。ここでは説明しない。)
基本概念
- アナログ表現: 情報を連続量で表したもの
- アナログ量: 連続的な量
- デジタル表現: 情報を離散量で表したもの(連続的なものは近似する)
- デジタル量: 離散的な量
- 標本化: 連続的な情報を、ある時間間隔や空間間隔で取り出すこと。取り出したものは標本(サンプル)という。
- 解像度: 単位長さあたりの標本の数(300dpi(dots per inch)など)。
デジタルカメラの画像のような場合は「長さ」が決まってないので、
標本の数(1600x1200など)で代用することもある。
- 量子化: 連続的な情報を、ある段階のどれに属するかで離散化すること
- 周期関数: 周期Tで同じ変化を繰り返す関数。
以下、波としては周期関数を考える。画像の圧縮などで考える波は空間方向の波なので、時間方向と勘違いしないように注意。
「□□■■」は「□■□■」より周波数が低い。
- 標本化定理:
周波数が
以下の周波数の重ね合わせでできた波は、
間隔
で標本化すれば再現できるという定理。
- ナイキスト周波数:
時間間隔
に対して
のこと。
時間間隔
で標本化した時に、再現できる周波数の上限がナイキスト周波数である。
- ラスタ画像:
画素(ピクセル)を縦横に格子状に並べた画像。
ラスタは走査線のこと。
- エイリアシング: ナイキスト周波数より高い周波数の波が含まれていると、
標本化した情報から誤った関数が復元される現象。画像の場合は
モアレ縞のようなものが見える。
Lサイズ(127mm x 89mm)のプリントが欲しい。
300dpiで印刷するとしたら、
デジタルカメラで撮影する画像の解像度はどれだけ必要か?(1インチ=2.54cm)
2000dpi(dots per inch)で印刷するしたらどうか?
大学のコンピュータのディスプレイもラスタ方式である。
20インチで1680x1050とすると何dpiになるだろうか?
(画面のインチは対角の長さ。ピクセルの縦横比は1:1とする。√を計算したい場合は電卓で「表示」→「科学計算」とする。)
1ヘルツの波を毎秒1回サンプリングしたらその値がずっと0.5だった。
この波がどのような(波高や位相)ものか。このサンプリングに0.25秒遅れて毎秒1回サンプリングしたらその値がずっと0.3だったらどうか。
画像ファイル形式とデータサイズ
8ビットで量子化すると何段階になるか?
画像の準備
まず、サンプルのラスタ画像を準備する。以下のどの方法を使ってもよい。
- 以下をダウンロードして利用してもよい。
(
P1050127.jpg,
P1050236.jpg,
P1020697.jpg,
P1020698.jpg,
P1020699.jpg,
CA390135.jpg,
CA390136.jpg
)
- 各iMacにはカメラがついているので、それを使って撮影したものでもよい。
- Finderで、「アプリケーション」→「Photo Booth」を起動する。
- カメラ(ディスプレイの上端にある。作動中は脇の緑のランプが点灯)で撮影している映像がPhoto Boothに表示される。
- Photo Boothの赤いカメラボタンをクリックすると3秒後に撮影される。撮影した画像は下に表示される。
- 必要なら、「編集」→「写真を反転」で左右を反転する。
- 「ファイル」→「Finderで表示」で撮影した画像のファイルが表示されるので、デスクトップにドラッグしておく。
- 自分で画像のファイル(jpgかpng)を持っていればそれを使ってもよい。
SDカードなどから読み込みたい場合は
入出力環境を使って読み込む。
micro SDなどの場合はアダプタを持参する必要があるかもしれない。
- 携帯電話で撮影した画像を電子メールの添付ファイルとして自分宛に送るという方法もある。
ただし、画像ファイルは大きいので、定額プランでない場合はお勧めしない。
画像を、RGBそれぞれ256段階に量子化したとして圧縮しないと何バイトになるか計算し、実際の画像のファイルの大きさと比較してみよ。
画像の解像度の調べ方:
画像のファイルをダブルクリックして、プレビューというソフトウェアで画像が表示されたら、上のメニューの「ツール」→「インスペクタを表示」と選択するとインスペクタが表示されるので、
そのイメージサイズのところを見ると画像の解像度がわかる。
画像ファイルの大きさの調べ方:
プレビューで画像を表示してから、上のメニューの「ツール」→「インスペクタを表示」してインスペクタを表示し、ファイルのサイズのところを見る。
Finderの「アプリーケーション」→「計算機」に電卓がある。
ラスタ画像の実験1
ラスタ画像の構成について調べてみよう。
大きな画像だと時間がかかりすぎるので、P1050127-100.jpgを使うか、
以下の実験2の方法で自分で小さくしたものを使う。
(大きな(=解像度の高い)画像かどうかは、画像の格納されたファイル(のアイコン)を右ボタンでクリックして「情報を見る」を選択すると詳細情報のところに表示される。)
- まず、コンピュータ原理シミュレータを開く。
(右ボタンで新規ウィンドウを開いた方が以下の説明を読みながら作業できるので楽)
- 「画像処理」をクリックする。
- 「media.itc.u-tokyo.ac.jpからのアプレットが、お使いのコンピュータへのアクセスを要求しています。」などと表示される。
(悪意のあるアプレットを実行すると危険なので電子署名がついている。
ただし、ブラウザが知らない「人」の署名なので怪しんでいる。
ブラウザがどの「人」を知っているかを知りたい場合は、「アプリケーション」→「ユーティリティ」→「キーチェーンアクセス」→「システムルート」を見る。
)
今の場合は「許可」をクリックしてよい。
- 「ファイル」→「読み込み」→ファイルを指定→「開く」
- しばらく待つ(1分程度)と左上に画像が表示される。
- 画面をクリックすると、その点を中心にその付近のビットの色情報が下に16進数で表示される。
(A〜Fが10〜15に対応。FFが最大。00が最小。左の2桁が赤、中央の2桁が緑、右の2桁が青(RGB)の強度。色とRGB値の対応を確認しよう。
- 「画像処理」→「階調の処理」→「階調量子化」。階調数が10以下になると急にイラストのようになる。
量子化の効果が分かるだろう。
- 「画像処理」→「近傍計算」→「平滑化」→「計算」。
各ピクセルの値が上下左右のピクセルの平均となるので画像がぼやける。
細いピクセルからなっていることが実感できるはず。
- 「画像処理」→「近傍計算」→「強調」→「計算」。
各ピクセルの値から上下左右のピクセルの値を引くので変化があるところが際立つ。
細いピクセルからなっていることが実感できるはず。
- (おまけ)「画像データ表現」→「色」を選ぶと左下にRGBのスライダが表示される。
スライダを動かすと右上にその色が表示される。RGBの他に、CMYやHSVで操作もできる。
CMYはシアン・マゼンダ・イエローの印刷系の色体系。HSVは色相(hue)、彩度(saturation)、
明度(value)による色の指定。
Safariが反応しなくなってしまった場合(処理に時間がかかるものを実行したなどで)は以下のようにブラウザを強制終了してやり直す。
- 「左上のリンゴマーク」→「強制終了」を選ぶと、「アプリケーションの強制終了」ウィンドウが開く
- Safariをクリックしてから「強制終了」→確認画面→「強制終了」
この画像
の量子化は何段階か?
アンケート
ラスタ画像の実験2
画像のサイズの変更を行ってみよう。
プレビューを使う。
- 画像ファイルのアイコンをクリックする。(または、下のドックからプレビューを起動して、画像ファイルを読み込む。)
- 「ツール」→「サイズを調整...」
- 縦横比を固定とイメージを再サンプルにチェックがついていることを確認する。
- 「解像度」を半分にする。
- 「OK」をクリックする。
- 「ファイル」→「別名で保存...」
- 「名前」を決める。
- 「品質」では圧縮率が指定できる。
最低にすると高周波数成分が除かれて画質が下がる。
- 「保存」をクリックして保存する。
- 画像ファイルを右ボタンでクリックして、「情報を見る」で「サイズ」のところを見る。
A、B、Cのなかでどれが一番圧縮されているか?
アンケート
練習
事件の現場を目撃したので、デジタルカメラで撮影した。これで気になることはあるだろうか?
画像を(何が写っているかが分かる範囲で)できるだけ圧縮してみよ。
やり方は任意。cfiveへアップロードする。
ピクトグラム作成の練習で作成したピクトグラムをjpgとpngで保存して、できるだけ圧縮してみよ。
yamaguch@mail.ecc.u-tokyo.ac.jp Copyright 2010 Kazunori Yamaguchi 山口和紀@東京大学総合文化研究科