情報科学入門: Rubyを使って学ぶ

isrb2のインストール方法

情報科学入門」では対話的なRubyの処理系irbと、簡単な画像表示プログラムを組み込んだ処理系isrbを使用します。irbは一般的なRuby処理系に付属しています。isrbは本書独自のものです。

ここではJRuby上で動作するisrb2のインストールと使用方法を説明します。


配布ファイル

GNU General Public License Version 3の下で公開します。


インストール

Microsoft Windows

手順

  1. JRubyのインストール
    http://jruby.org/downloadから、JRuby Windows Executable をダウンロード・実行し、インストーラの指示に従います。
  2. isrb2のダウンロードと展開
    zipあるいはtar + gzip形式のisrb2をダウンロードし、適当な場所に展開します。
  3. 実行
    展開されたフォルダisrb2の中にあるisrb.batを実行します。ウインドウが開き「isrb(main):001:0>」というプロンプトが表示されます。

カレントディレクトリ

エクスプローラからisrb.batを実行した場合、isrbはユーザのホームディレクトリをカレントディレクトリとして実行されます。コマンド・プロンプトなどからisrb.batを実行した場合は、そのときのカレントディレクトリがisrbのカレントディレクトリになります。

トラブルシューティング

動作確認環境


Mac OS X, Linux

手順

  1. Java実行環境のインストール (多くのOSにはJava実行環境があらかじめ用意されています。)
    http://java.com/ja/download/からJava実行環境をダウンロードし、インストールします。Mac OS Xの場合や、Linuxの場合の手順を参考にして下さい。
  2. JRubyのインストール
    http://jruby.org/downloadから、JRuby 1.6.7.2 Binary .tar.gz をダウンロードし、適当な場所(例えばホームディレクトリ)に展開します。Mac OS Xでは予めインストールされていることがあります。また、インストーラ(JRuby MacOS Installer)を使うこともできます。
  3. isrb2のダウンロードと展開
    tar + gz 形式の isrb2 をダウンロードし、適当な場所(例えばホームディレクトリ)に展開します。
  4. 環境変数の設定
    環境変数PATHに展開したJRubyのbinディレクトリと、展開isrb2のディレクトリを追加します。例えば両者をホームディレクトリに展開したのであれば、次の一行を~/.bashrcなどに追加します。
    PATH="$PATH":"$HOME"/jruby-1.6.7.2/bin/:"$HOME"/isrb2
    
    (Mac OS Xでインストーラを使ってJRubyをインストールした場合、JRubyのbinディレクトリは自動的に追加されるようです。その場合はisrb2のディレクトリのみ追加して下さい。)
  5. 実行
    シェル(ターミナル)から以下のように入力するとisrbが起動します。
    $ isrb
    isrb(main):001:0>
    
    ( $ はシェルのプロンプトです。 isrb(main):001:0> はisrbのプロンプトです。)

動作確認環境

Mac OS X環境で画素数の少ない(例えば2×2)の画像を表示すると、ぼやけた画像が表示されるという現象が報告されています。原因を特定できていませんが、Java 1.6.0_65ではその現象が発生し、1.7版に更新すると解決したとも報告されています。


使い方

濃淡画像の表示: show(a)
aは要素が0以上1以下の数値である2次元配列
a[y][x]の値が座標(x,y)の明度になります。
例:
show([[0, 0.33], [0.66, 1]])
カラー画像の表示: show(a)
aは要素が0以上1以下の数値である大きさH×W×3の3次元配列
a[y][x][0], a[y][x][1], a[y][x][2]それぞれの値が座標(x,y)の 赤・縁・青成分の明度になります。
例:
show([[[0.14, 0.18, 0.53],[0.97, 0.19, 0.12]]])
画像の更新
一度showによって表示された配列の要素を代入によって更新すると、同時に画像も変化します。
例:
a=[[0,0],[0,0]]
show(a)	        # 黒い四角が表示
a[0][0]=1	# 左上が白に変化
アニメーション
要素が変化した同じ配列を複数回showした後、Start/stop animationメニューによってアニメーション表示を行うことができます。(メニューは画像をクリックすると表示されます。)
例:
a = [[1,0],[0,0]]
show(a)			# 画像が表示
a[0][0] = 0
a[0][1] = 1
show(a)
a[0][1] = 0
a[1][1] = 1
show(a)
a[1][1] = 0
a[1][0] = 1
show(a)			# この後Start/stop animationでアニメーション開始
画像の保存
表示されている画像をSave image as ...メニューによって画像ファイルに保存できます。(メニューは画像をクリックすると表示されます。)画像ファイルの形式は保存ファイル名の拡張子に .png .jpg などを追加することで指定します。

旧版との違い


作者

増原英彦

最終更新: Tue Dec 17 12:26:06 JST 2013